フリード,Arthur(読み)ふりーど

世界大百科事典(旧版)内のフリード,Arthurの言及

【雨に唄えば】より

…主演のジーン・ケリーが,恋を得た喜びに,どしゃ降りの夜更けの街角でずぶぬれになって歌い踊りまくるナンバー〈雨に唄えば〉は,クレーン撮影を駆使した画面の躍動感とともに,〈MGMミュージカル〉の数々の名場面の中でも白眉とされ,その後いろいろな映画に引用されたり,パロディ化されたりしている(例えば《時計じかけのオレンジ》1971)。〈MGMミュージカル〉を育てた名プロデューサー,アーサー・フリードがみずから作詞した名曲の集大成としても知られる。封切当時よりも年とともに評価が高まり,〈映画史上のベスト・テン〉といった催しには必ず選出される名作の1本になっている。…

【ミュージカル映画】より


[ミュージカル映画の誕生]
 1920年代の初めにレコードを通じて全米のアイドルとなっていたアル・ジョルスンAl Jolson(1886‐1950)が,ワーナー・ブラザースの実験的なサウンド短編《エープリル・シャワーズ》(1926)につづく《ジャズ・シンガー》(1927)で《マイ・マミー》や《ブルー・スカイ》を歌ったとき,〈トーキー映画〉と〈ミュージカル映画〉が同時に誕生した。その後,ミュージカル映画はハリウッドの各社で次々につくられたが,そのなかで,MGMのアービング・タルバーグが2人の若いソング・ライター,すなわち作詞家のアーサー・フリード(1894‐1973)と作曲家のナシオ・ハーブ・ブラウン(1896‐1964)のコンビを起用してオリジナル・ナンバーを書かせ,ハリー・ボーモント監督により〈100%オール・トーキング,100%オール・シンギング,100%オール・ダンシング〉といううたい文句で製作してアカデミー作品賞を受賞した《ブロードウェイ・メロディー》(1929)が,初期のミュージカル映画の原型とされる(のち〈MGMミュージカル〉のシンボルの一つにすらなった名曲《雨に唄えば》もこの作品のナンバーの一つであった)。この成功に刺激されて,ワーナー・ブラザースの《ブロードウェイの黄金時代》(1929),ユニバーサルの《キング・オヴ・ジャズ》(1930),フォックスの《フォックス・ムービートン・フォリーズ》(1930),パラマウントの《パラマウント・オン・パレード》(1930)など,〈バックステージもの〉(舞台裏を描いたミュージカル)やレビュー形式のミュージカル映画が数多くつくられ,ひたすら華麗に見せる現実逃避的な内容は大同小異ではあったが,不況下の観客に夢をあたえた。…

※「フリード,Arthur」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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