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ニューヨーク・タイムズ The New York Times

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ニューヨーク・タイムズ
The New York Times

世界的に権威のあるアメリカの代表的日刊紙。 1851年9月 H.レイモンドらが創刊。初め『ニューヨーク・デーリー・タイムズ』と号していたが,57年現在名に改題。当初から不偏不党で質の高いニュース報道に徹して,知的ジャーナリズムの基礎を確立した。 69年レイモンドの死後,経営権はジョーンズ家に移ったが,84~96年には苦境に立ち,一時は破産の危機にあった。しかし 96年 A.オクスが買収,「印刷に値するすべてのニュースを」というスローガンのもとに『サン』から K.アンダを迎えて編集長に据え,ニュース重点の紙面改革を行なった。編集面では,A.クロック,J.レストン,H.ソールズベリ,A.ローゼンソールらの傑出したジャーナリストが輩出している。特に海外に広い取材網を敷き,すぐれた海外特派員を輩出していることは有名である。 1971年6月にはアメリカ政府のベトナム戦争介入の過程を分析した『国防省秘密文書』を公表して,「国益」の名のもとに掲載を禁止しようとする政府と対決,「国民の知る権利」を主張して最高裁で勝利を収めた。発行部数は朝刊 107万 1120,土曜版 102万 9287,日曜版 165万 2800 (1997) 。

ニューヨーク・タイムズ
The New York Times Co.

アメリカの新聞社で,『ニューヨーク・タイムズ』,『ボストン・グローブ』などの発行元。 1851年創業,96年設立。『ニューヨーク・タイムズ』はニューヨーク市周辺向けが中心であるが,全国版,外国版も発行し,世界中で購読されている。このほか南東部とカリフォルニアを中心に 28紙の新聞を発行。雑誌では『ファミリー・サークル』『ゴルフ・ダイジェスト』など9誌を発行したが,97年末その大半を売却した。また8テレビ局,2ラジオ局を保有し,電子出版やニューメディアなど情報事業を多角的に経営する。東京支局がある。年間営業収入 28億 6600万ドル,総資産 36億 3900万ドル,従業員数1万 3100名 (1997) 。

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百科事典マイペディアの解説

ニューヨーク・タイムズ

米国の代表的高級日刊紙。1851年《ニューヨーク・トリビューン》の記者だったヘンリー・ジャーヴィス・レーモンドが創刊,1857年現行の題号となった。《ニューヨーク・ワールド》などの〈イエロー・ジャーナリズム〉と呼ばれた新興大衆紙におされ,一時衰退したが,1896年アドルフ・オックスが経営・編集にあたって今日の隆盛の基礎を築いた。
→関連項目NANA

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ニューヨーク・タイムズ
にゅーよーくたいむず
The New York Times

世界的に有名なアメリカの代表的高級紙。『ニューヨーク・トリビューン』紙で活躍したレイモンドHenry Jarvis Raymond(1820―1869)が銀行家のジョーンズGeorge Jonesらと共同で、安価で良質な新聞をつくることを目的とし、1851年9月18日、1部1セント、4ページの『ニューヨーク・デーリー・タイムズ』を発刊。編集を担当したレイモンドは、保守的ながら正確で均衡のとれたニュース(とくに外国ニュース)を読者に提供した。『ニューヨーク・タイムズ』と改題したのは1857年。1870年には、腐敗したニューヨーク市政を紙面で鋭く攻撃し、同紙に対する読者の信用を一段と高めた。しかしピュリッツァーやハーストのイエロー・ジャーナリズムの隆盛に影響を受け、しだいに不振となり、1891年破産の危機に瀕(ひん)した。その後、1896年オックスAdolph S. Ochs(1858―1935)が買収し、「印刷に値するすべてのニュースを」というスローガンを掲げてさまざまな紙面改革を行い、1898年には、値上げされて3セントになっていた同紙をふたたび1セントに値下げするなどした結果、発行部数はわずか3年のうちに2万5000部から10万部に増えた。
 1904年にカール・バン・アンダCarr Van Anda(1864―1945)を編集局長に迎えると、同紙の紙面はいっそう充実したものとなった。1935年オックスの死去により、彼の女婿サルツバーガーArthur Hays Sulzberger(1891―1968)が経営を引き継いだ(1963年以降は息子のアーサー・オックス・サルツバーガーArthur Ochs Sulzbergerが、1992年以降はさらにその息子のアーサー・オックス・サルツバーガー・ジュニアArthur Ochs Sulzberger Jr.が後継)。1971年6月、アメリカ国防総省のベトナム秘密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を入手した同紙は、その大筋を特集、報道した。このスクープをめぐって政府が掲載中止を申し入れたことから、アメリカ連邦最高裁判所での審理へ持ち込まれたが、『ニューヨーク・タイムズ』紙が勝利した。これは報道の自由の点で、アメリカ新聞史上特筆されるべき事件となった(ペンタゴン・ペーパーズ暴露事件)。2002年には、これまで『ワシントン・ポスト』と共同で発行していた『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』を完全に買い取ったほか、『ニューヨーク・タイムズ』紙面の本格的なカラー化を進め、これまで伝統と格式を重んじてきた同紙も、積極的な事業展開をみせている。紙面の特徴としては、国際報道が質・量とも他の新聞にぬきんでていることが第一にあげられる。また本紙の最後の見開き2ページを使ったオピニオン欄では、社説、オプ・エド(Opposite the Editorial Page)とよばれる論説コラムや投稿が並び、保守からリベラルまでバランスがとれている。これらの意見はアメリカ社会に大きな影響を与えているといわれている。さらに書評や劇評なども人気が高い。2006年から2009年にかけて他のアメリカの新聞と同様に広告収入の不振から、大幅なコスト削減が行われている。2007年に新社屋に移転したものの、資金繰りから2009年にこれを投資家へ売却するなど財政再建の施策が行われている。発行部数92万8000部(2009)。[鈴木ケイ・木村綾子]
『R・アドラー著、山本晶訳『ニューヨーク・タイムズの一日』(1973・平凡社) ▽ゲイ・タリーズ著、橋本直訳『王国と権力――ニューヨーク・タイムズをつくった人々』上下(1991・早川書房) ▽ハリソン・E・ソールズベリー著、小川水路訳『メディアの戦場――ニューヨーク・タイムズと記者ニール・シーハンたちの物語』(1992・集英社) ▽三輪裕範著『ニューヨーク・タイムズ物語――紙面にみる多様性とバランス感覚』(中公新書)』

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