岩石学辞典 「ヴェナイト」の解説 ヴェナイト 花崗岩質の細脈で貫かれ網目状となった片麻岩や片岩など変成岩の総称[Holmquist : 1921, Turner : 1948].アルテライト(arterite)に対するものであるが,アルテライトよりも広い意味で,分泌作用によって後生的に裂罅(れっか)を充填したもの.母岩である変成岩の生成と同時に初生的に脈状体が形成されたものを含んでいる[Holmquist : 1921].ホルムクィストは同生的(syngenetic)なものと後生的(epigenetic)なものに分類し,後生的をさらに(1) 側分泌ヴェナイト(lateral-secretion venite)と(2) 貫入ヴェナイト(injection venite)に細分した[Holmquist : 1921].貫入ヴェナイトはゼーダーホルムのアルテライト(arterite)に相当する[Sederholm : 1897, Homquist : 1921].その後スゥターはヴェナイトを側分泌のものに限定し,アルテライトは貫入ヴェナイトに当たる語として残すことを提案した[Suter : 1924].現在では脈がその場で流動化することによって形成される脈状のミグマタイトに使用されている[Mehnert : 1968]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報