化学辞典 第2版 「一酸化窒素合成酵素」の解説
一酸化窒素合成酵素
イッサンカチッソゴウセイコウソ
nitrogen monoxide synthase
略称NOS.生体内で下記の反応を触媒し,NOを合成する酵素.
L-アルギニン + 2O2 + 1.5NADPH →
NO + L-シトルリン + 1.5NADP+ + 2H2O
3種類存在し,その性質や存在場所に応じて,NOS-1(nNOS,神経系),NOS-2(iNOS,免疫担当細胞),NOS-3(eNOS,血管内皮)と略記される.NOS-2は誘導型で,サイトカインやリポ多糖による刺激で,肝臓,マクロファージ,平滑筋などで合成される.エンドトキシンショックに関与するのはNOS-2である.NOS-2の誘導性(inducible)に着目した初期の名前がiNOSである.NOS-1とNOS-3は定常的に発現しており,Ca2+-カルモジュリン依存性である.すなわち,外界刺激により細胞内 Ca2+ 濃度が上がると活性化され,NOを合成する.NOS-2にはカルモジュリン結合部位はない.[CAS 125978-95-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報