化学辞典 第2版 「二ホウ酸塩」の解説
二ホウ酸塩
ニホウサンエン
diborate
MⅠ4(B2O5).正式名称はμ-オキソビス(ジオキソホウ酸)(4-)(塩).俗称,ピロホウ酸塩ともいう.いくつかの塩が知られている.Mg塩は,天然に無水物の遂安石(suanite)や,一水和物として産出する.Na塩は,計算量のNaOHとホウ酸とを水溶液中で反応させ,濃縮すると一水和物が得られる.これから無水物も得られる.水に不溶の塩(Mg,Ca,Co,Niなどの塩)は,各金属の酸化物とB2O3を溶融すると得られる.Na,Mg,Baなどの塩は無色,Ni塩は緑色,Co塩は赤色.2個の正三角形型のBO3が,1個のO原子を共有してつながった形の [B2O5]4- を含む.たとえば,Mg塩では,B-O約1.35~1.39 Å(末端),1.40 Å(架橋).∠B-O-B約131°.ただし,これらの値は金属塩の種類で多少異なる.Na塩は水に可溶,Mg,Ba,Niなどの塩は水に難溶.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報