化学辞典 第2版 「交互共重合」の解説
交互共重合
コウゴキョウジュウゴウ
alternating copolymerization
単量体の混合比とは無関係に,生成共重合体中に含まれる単量体比がつねに1:1であり,しかもそれら二つの単量体が交互に配列しているような生成物を与える共重合のこと.単量体の反応性比を r1,r2 で表現した場合,
r1 × r2 = 0
を満足しなければならない.交互共重合体を与える系としては,
(1)単量体間で電荷移動型の錯体を形成する場合,
(2)単量体と触媒(主として,ルイス酸)との間に電荷移動型の錯体を形成する場合,
(3)両単量体が触媒に配位するような場合,
などが知られている.それぞれの例としては,
(1)オレフィン-二酸化硫黄系,
オレフィン-無水マレイン酸系,
(2)オレフィン-アクリロニトリル-Al(C2H5)nCl3-n系,ジエン-アクリロニトリル-Al(C2H5)nCl3-n・VO(O-t-Bu)3系,
(3)オレフィン-ジエン-VCl4・AlR3・AlR2Cl・アニソール系,
などがよく知られている.また,これらの交互共重合反応は,光照射などにより促進されることが多い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報