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錯体 サクタイ

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デジタル大辞泉の解説

さく‐たい【錯体】

金属または金属類似元素原子イオンの周囲に、配位子(はいいし)とよばれる原子・イオンまたは原子団が方向性をもって立体的に結合し、一つの原子集団をつくっているもの。

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百科事典マイペディアの解説

錯体【さくたい】

金属を主とする原子を中心に,いくつかの非金属原子あるいは原子団が配位してできた化学種の総称。錯体化学無機化学の最も基礎的なものの一つとなっている。→錯化合物
→関連項目分子科学研究所

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栄養・生化学辞典の解説

錯体

 →錯塩

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世界大百科事典 第2版の解説

さくたい【錯体 complex】

錯体は狭義から広義にわたり多様に定義されている。錯体を構成する化学種の電荷を考慮すると複雑になるので便宜上これを無視し,比較的狭い定義を与えるとすればつぎのようになる。〈一つあるいはそれ以上の,金属を主とする原子を中心として,これにいくつかの非金属原子あるいは原子団が結合してできた化学種を錯体という〉。中心原子は一つのものがふつうで,これを一核錯体または単核錯体という。中心原子が複数個のものを多核錯体といい,中心原子の数nに応じてn核錯体(二核錯体の場合には複核錯体ともいう)という。

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大辞林 第三版の解説

さくたい【錯体】

金属元素または金属類似元素の原子やイオンを中心とし、その周囲に配位子とよばれる他のイオン・原子・分子や原子団・基が立体的に規則正しく配置されて生じた分子やイオンなどの原子集団。錯塩、錯酸、錯塩基、錯分子、錯重合体に分類される。
分子またはイオンに、他の原子・分子・イオンが配位結合して生じた原子集団。配位化合物。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

錯体
さくたい

配位化合物」のページをご覧ください。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

錯体
さくたい
complex

一つの原子あるいはイオン(普通は金属イオン)を中心として、その周りにいくつかの他の原子、イオン、分子あるいは原子団(これらを配位子という)が、方向性をもって立体的に配位し、一つの原子集団をつくっているとき、これを錯体といっている。化学式では[ ]でくくり、錯体であることを示す。また錯体がイオンである場合、錯イオンという。錯体を含む化合物を一般に錯化合物といい、分子化合物と区別するために用いられる。
 配位子と中心原子との間の化学結合は、イオン結合性、共有結合性いずれでもよく、多くの場合、その両者の中間を示し、両方の要素をもっている。このことは多くの化合物にみられ、たとえば硫酸イオンSO42-、クロム酸イオンCrO42-などでは、それぞれ中心原子S6+、Cr6+の周りに、四つのO2-が正四面体をつくるように配位した錯体であり、また、ミョウバンKAl(SO4)212H2Oの結晶中にみられる[Al(H2O)6]3+や、黄血塩のK4[Fe(CN)6]3H2O中の[Fe(CN)6]4-あるいは[Co(NO2)3(NH3)3]のような分子は、それぞれAl3+、Fe2+、Co3+などを中心原子として、H2O、(CN)-、NO2-、NH3などの配位子が八面体型に配位してできた錯体(錯イオン)である。ただし以上の例で、硫酸イオンのような場合には、中心原子が非金属元素であるため、普通は錯体といわないことが多い。その意味で中心原子が金属原子の場合には金属錯体ということもある。
 多くの金属塩類は錯体を含むのが普通で、水溶液中では錯イオンとして存在することが多い。たとえば、硫酸銅()の水溶液中では[Cu(H2O)6]2+が存在する。[中原勝儼]

多核錯体

錯体のうち、中心原子が二つある場合を二核錯体あるいは複核錯体、二つ以上ある場合を多核錯体といっている。たとえば、酢酸銅()一水和物は普通Cu(CH3COO)2H2Oのように書かれるが、実は図Aのような複核錯体[Cu2(CH3COO)4(H2O)2]であり、同じく塩基性酢酸クロム()Cr3(CH3COO)7(OH)22H2Oは[Cr3O(CH3COO)6(H2O)3](CH3COO)であって、3個のクロム原子が正三角形をつくり、その中心に酸素原子が位置し、三角形の各辺に沿って二つのCH3COOが橋架けし、それぞれのクロム原子にH2O分子が一つずつ配位した八面体型6配位の三核錯体である。同様に塩基性酢酸ベリリウムBe4O(CH3COO)6といわれているものは、図Bのように四つのベリリウム原子がほとんど四面体をつくり、中心に酸素原子が位置し、六つの稜(りょう)を六つのCH3COO-が橋架けしてできた四核錯体である。また水酸化アルミニウムAl(OH)3は、図Cのように八面体型6配位の[Al(OH)6]3-がOH-を橋架けとして無限に連なった無限多核錯体(通常、巨大分子といっている)であるといえる。このような例はきわめて多く、遷移金属の塩類はほとんどがこの種の単核錯体ないし多核錯体を含むものである。
 配位子がキレート配位子である場合、すなわち、一つの中心原子に一つの配位子が二つ以上の配位原子で配位するときは、できた錯体をキレート錯体という。[中原勝儼]
『渡部正利・矢野重信・碇屋隆雄著『錯体化学の基礎――ウェルナー錯体と有機金属錯体』(1989・講談社) ▽錯体化学研究会編『分子を超えて――錯体の世界』(1991・化学同人) ▽山崎一雄・吉川雄三・池田龍一・中村大雄著『錯体化学』改訂第2版(1993・裳華房) ▽中原勝儼著『無機化合物・錯体辞典』(1997・講談社) ▽岩本振武・荻野博・久司佳彦・山内脩編『大学院錯体化学』(2000・講談社) ▽基礎錯体工学研究会編『新版 錯体化学――基礎と最新の展開』(2002・講談社) ▽渡部正利・山崎昶・河野博之著『錯体のはなし』(2004・米田出版、産業図書発売)』

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