仮想メモリー(読み)カソウメモリー

デジタル大辞泉 「仮想メモリー」の意味・読み・例文・類語

かそう‐メモリー〔カサウ‐〕【仮想メモリー】

仮想記憶

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ASCII.jpデジタル用語辞典 「仮想メモリー」の解説

仮想メモリー

仮想マシンに与えられる、仮想的に実装したメモリー空間、およびその手法。仮想メモリーは、本来OSが持つ機能で、複数プロセスプログラムアプリケーション)が動作するOSでは、物理的なメモリーはセグメントやページと呼ばれる小分けされた空間単位で管理され、各々プログラムに仮想メモリーとして貸し出される。仮想メモリーのメリットは、ひとつは、連続したメモリー空間が存在しなくとも、OSが開いているページを組み合わせ、連続している仮想アドレスからなる仮想メモリー空間をアプリケーションに提供できることにある。提供された仮想アドレスからなる仮想メモリー空間は、提供されたアプリケーションが自由に使用でき、ほかのプロセスがメモリーを使用中かどうかなどの判断が不必要なため、アプリケーションが複雑な処理から開放される。このとき、仮想メモリーで使用している仮想的なアドレスは、OSによって物理的なアドレスに変換され、実際にメモリーに対する読み書きする。仮想記憶では、OSが物理的なメモリー空間を一元管理しているため、アプリケーション間やOSとの間でメモリーの競合やアドレス指定の齟齬が起こりにくく、たとえばアプリケーションのひとつが暴走してめちゃくちゃにメモリーを書き換えても、その被害がほかのアプリケーションやOS自体へ及ばない。仮想記憶のもうひとつのメリットは、コンピューターが実装しているメモリー量より大きいメモリー空間を、アプリケーションに提供できる点にある。通常、OSは、物理メモリー空間と、ハードディスク上のページファイル(スワップファイル領域を足した容量を、仮想メモリー空間として利用。物理メモリー空間からあふれた仮想メモリー空間は、そのページをスワップというかたちで、ハードディスク上のページファイルと内容を交換する。これにより、メモリー不足でアプリケーションを起動できないといったことが少なくなる。コンピューターの仮想化においては、このようなOSが提供する仮想メモリーとほぼ同じ手法で、仮想化ソフトウェアがOSに対して仮想メモリー空間を提供し、OS間のメモリーの競合を避け、堅牢性を確保している。ただ、仮想メモリーと物理メモリーのアドレス変換は、仮想化マシンの処理のボトルネックになる。このため、アドレス変換を支援する機構をCPUに組み込んだ製品も登場してきている。

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パソコンで困ったときに開く本 「仮想メモリー」の解説

仮想メモリー

ウィンドウズの機能のひとつで、ハードディスクを見かけ上メモリー(RAM)の一部として利用するものです。本体に内蔵されたメモリーを使い切る前に、メモリーに記憶しているデータの一部を自動的にハードディスクに移し、必要に応じて戻すのです。この機能によって、実際にパソコンに搭載されているよりも多くのメモリーを使えます。ただし、メモリーと比べるとハードディスクのデータ読み書きは非常に遅いため、仮想メモリーの使用頻度が高いとパソコンの動きは遅くなります。可能ならメモリーを増設するほうが快適です。なお、仮想メモリーはウィンドウズが自動的に使用するので、特別な操作をする必要はありません。
⇨RAM、メモリー

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

IT用語がわかる辞典 「仮想メモリー」の解説

かそうメモリー【仮想メモリー】

ハードディスクなどの補助記憶装置メインメモリーの代わりに利用する機能。補助記憶装置内にスワップファイルというメモリー空間を用意することにより、メインメモリーで容量不足になった分を一時的に保存する。◇「仮想記憶」「バーチャルメモリー」ともいう。

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