伊久里の森(読み)いくりのもり

日本歴史地名大系 「伊久里の森」の解説

伊久里の森
いくりのもり

「万葉集」巻一七には、天平一八年(七四六)八月七日僧玄勝によって披露された大原高安真人作の古歌「妹が家に伊久里の森の藤の花今来む春も常如此し見む」の一首がある。詠じられた時期は不詳。大原高安真人は天平一一年四月大原真人の姓を賜った高安王であるとされる。「伊久里の森」の所在地については越後国あるいは奈良近郊とするなど諸説あり、文政四年(一八二一)富田景周「楢葉越枝折」では井栗谷いくりだに村付近に比定している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android