…前者は人為的に容易に処理されるが,むずかしいのは後者で,その取扱いには確率論が必要となる。それは偶然誤差と呼ばれ連続的な値をとる確率変数と考えられる。その分布の密度関数をφ(x)とかく。…
…(1)反復 もし同一条件下での2回以上の独立な繰返し(実験の反復)があれば,その実験でのデータの散らばりの程度がわかり,誤差分散の推定ができ,平均値に伴う誤差は小さくなる。(2)無作為化 測定誤差には,(a)偶然的に起こりその状態が統計学でよく知られた確率分布に従うと仮定できる偶然誤差と,(b)測定の時間的順序,測定者のくせや装置の差など一定の傾向をもつ系統誤差がある。フィッシャーは系統誤差を偶然誤差に転化するため,実験順序,装置,測定者などの無作為割付け(例えば乱数表などを用いる)を提案した。…
…(1)測定の理論,原理の不完全さ 例えば気体の温度を状態方程式を用いて求めるときの状態方程式自身の不確かさ,(2)測定器の不完全さ 例えばセンサーのヒステリシスや機器の目盛間隔のふぞろいなど,(3)測定条件の変動 例えば周囲温度,湿度,気圧,電源電圧の変化の影響など,(4)測定者の能力の違い 例えば目盛の読取りや測定器の取扱い方の個人差など。これらの原因によって生ずる測定誤差は,数理的な性質によって,真の値に対するかたよりをもたらす系統誤差とばらつきを与える偶然誤差とに分類される。誤差【飯塚 幸三】。…
※「偶然誤差」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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