八田数【Hatta number】
ガス装置の設計に際して用いられる無次元数.液境膜の有効厚さを tL [m],液中の気体の拡散定数を DL [m2/hr],一次の反応速度定数を kC [hr-1]としたとき,
を γ で表すとすると,γ/tanhγ≡β なる無次元数が気体の吸収速度を表すには重要である.これは八田四郎次によって1932年に導入されたものであるが,のちオランダのファン・クレヴェレン(van Krevelen)がこの理論を充填塔内における化学吸着に応用し,tL の代わりに同じく長さの次元を有する(μ2/ρ2&scriptg;)1/3 を用いて X≡(μ2/ρ2&scriptg;)1/3(DL/kC) とし,X/tanhX を八田数とした.記号は Ha である.物理吸収では γ または X はゼロとなり,八田数は1.00となる.
出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の八田数の言及
【ガス吸収】より
…反応吸収における溶質ガス成分の吸収速度は N′=klβ(ci-cl)で与えられる。βは化学反応の吸収速度に及ぼす促進効果を表す係数で,この係数の最初の提案者八田四郎次の名にちなんで八田数または反応係数とよばれている。 ガス吸収操作のために,種々の工業吸収装置が提案されている。…
※「八田数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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