出口延佳(読み)でぐちのぶよし

精選版 日本国語大辞典 「出口延佳」の意味・読み・例文・類語

でぐち‐のぶよし【出口延佳】

  1. ( 江戸初期の神道学者 ) ⇒わたらいのぶよし(度会延佳)

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朝日日本歴史人物事典 「出口延佳」の解説

出口延佳

没年:元禄3.1.16(1690.2.24)
生年:元和1.4.28(1615.5.25)
江戸前期の神道家。名は初め延良。通称与三次郎,愚太夫。号は直庵,講古堂。代々伊勢神宮外宮祠官の家に生まれ,度会姓を名乗る。父は延伊。学問は独学で,永田道慶,林羅山などの影響を受けたかと思われる。戦国時代以来散逸焼亡した神宮の旧記や神書を収集し,また校合復元に努めた。慶安1(1648)年,同志70名と共に豊宮崎文庫を創建,これは外宮祠官子弟の教育施設となった。神道の大概を叙述した『陽復記』を著し,承応1(1652)年,後光明天皇天覧に供した。その思想は,中世以来の神仏習合を排し,宋学の理気説を導入して神の道を説き,神道は天下万民の道であることを強調した。著書はほかに『中臣祓瑞穂抄』『神代巻講述抄』『太神宮神道或問』などがある。伊勢外宮神道の中興と称される一方,『鼇頭古事記』や『鼇頭旧事紀』をはじめとする神典の校訂考勘の業績があり,荷田春満や賀茂真淵ら国学者の先駆的存在ともいえる。寛文10(1670)年の山田(伊勢市)の大火災で罹災,蔵書および刻苦して校訂した図書を失った。そのころ外宮は内宮との間で御師が配る「御祓の銘」をめぐる紛争があって訴訟にまで発展していたが,11年10月,延佳は外宮方の神書旧記考勘役として幕府に召還されて江戸に下った。訴訟で外宮方は敗れ,一味と共に閉門に処せられた。<参考文献>石谷斎蔵「出口延佳伝」(『国学院雑誌』18巻12号~19巻11号)

(白石良夫)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「出口延佳」の解説

出口延佳 でぐち-のぶよし

度会延佳(わたらい-のぶよし)

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百科事典マイペディア 「出口延佳」の意味・わかりやすい解説

出口延佳【でぐちのぶよし】

度会(わたらい)延佳

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「出口延佳」の意味・わかりやすい解説

出口延佳
でぐちのぶよし

度会延佳

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の出口延佳の言及

【度会延佳】より

…江戸初期の神道家,国学者。外宮権禰宜で,出口延佳ともいう。著書には《陽復記》,《神宮秘伝問答》,《神宮続秘伝問答》,《中臣祓瑞穂鈔》,《神代巻講述鈔》があり,校訂板行した書に《鼇頭(ごうとう)旧事紀・古事記》および《士仏参詣記》などがある。…

※「出口延佳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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