朝日日本歴史人物事典 「向井魯町」の解説
向井魯町
生年:明暦2(1656)
江戸前・中期の儒者,俳人。本名,元成。字は叔明。鳳梧斎などの別号もある。長崎の人。松尾芭蕉門人向井去来の弟。儒学の方では,若くから長崎聖堂の祭主を勤める。また,長崎に舶載される書籍の改役も勤めた。その学識は広く,天文理数にも通暁していた。俳諧においては,去来を介しての入集が二十余句確認できるにすぎないが,『去来抄』にみえる兄との問答から,熱意がわかる。<参考文献>渡辺庫輔「去来とその一族」(去来顕彰会編『向井去来』)
(楠元六男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報