嘽・嘶(読み)いなく

精選版 日本国語大辞典 「嘽・嘶」の意味・読み・例文・類語

い‐な・く【嘽・嘶】

〘自カ四〙 (「い」は馬の鳴き声) 馬がひひんと鳴く。いななく。
万葉(8C後)一三・三三二八「衣袖(ころもで)葦毛の馬の嘶(いなく)声心あれかも常ゆ異(け)に鳴く〈作者未詳〉」
[語誌]「万葉‐二九九一」では「馬声蜂音石花蜘蟵(いぶせくも)あるか」のように「馬声」をイとよんでいる。「落窪‐二」には「いうといななきて」とあるが、「いう」は現在のヒンにあたる。

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