…東アフリカのタンザニアにロケし,猛獣生捕りのプロフェッショナルたちの活動を描いているが,ホークス自身も〈これは西部劇の中に入れてもいい〉といっているように,主役のジョン・ウェインを中心に老・壮・青年の3世代に美女を加えたグループのチームワークが生み出す楽しさという点で《リオ・ブラボー》(1959)に始まり《エル・ドラド》(1966),《リオ・ロボ》(1970)とつづく西部劇三部作の〈番外編〉と見ることができる。3世代にまたがる人物配置,チームワークなどは《コンドル》(1939),《果てしなき蒼空》(1952)など,他のホークスのアクション映画にも見られる特徴であるが,《リオ・ブラボー》三部作では,そのグループが倒すべき〈敵〉や果たすべき目的よりもグループ内部の人間関係に多くの比重が置かれており,そうした特質は,〈敵〉の存在がなく,ほとんどプロットらしいプロットのない《ハタリ!》では,さらに純粋なかたちで発揮され,サイをトラックで追って捕獲する見せ場などの壮快なアクション,ヘンリー・マンシーニ作曲の挿入曲《子象の行進》に象徴されるユーモアと相まってきわめて異色の娯楽性に満ちたアクション映画となっている。もっともアメリカ的な映画のジャンルの一つである〈スポーツ映画〉の傑作とみなすこともできよう。…
※「子象の行進」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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