…また木曾路の称が中山道の代名詞としてつかわれたこともあるが,これは木曾路の知名度の高さを示すものである。木曾路は分水嶺鳥居峠をはさんで,南と北に流れる木曾川と奈良井川(信濃川の上流)に沿って,南北に縦貫し,その間に贄川(にえかわ),奈良井,藪原,宮越(みやのこし),福島,上松(あげまつ),須原,野尻,三留野(みどの),妻籠(つまご),馬籠(まごめ)の11宿が設けられ,また福島には江戸時代の四大関所福島関が置かれていた。宿駅は幕府の交通上の機関として設けられたものであって,各宿とも公用人馬の継立て,公式の宿泊・休憩などを担当する問屋場(とんやば)・本陣・脇本陣をはじめ,これらの業務にたずさわる問屋役・年寄役・伝馬役などの宿役人の家や,一般の旅人の休泊のための旅籠屋・茶屋,それに諸商人・諸職人の家など,200軒から400軒が街道に沿っていわゆる宿場町を形成していた。…
…長野県南西部,木曾郡の村。人口2638(1995)。木曾山脈北西部に位置し,村域の大部分が山林・原野で占められる。中心集落の宮ノ越はかつて中山道の宿駅であった。木曾川沿いに水田が開かれ,米作中心の農業が営まれてきたが,近年は肉牛飼育や花卉栽培が盛んになっている。駒ヶ岳北西麓に発して木曾川に注ぐ正沢川の下流には木曾駒高原が広がり,ゴルフ場,スケート場,別荘地などがあり,観光開発が進められている。村名の日義は朝日将軍源義仲にちなむもので,義仲が旗揚げしたところといわれる旗上八幡宮や菩提寺の徳音寺,義仲の資料を展示した義仲館などがある。…
※「宮越」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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