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地名 ちめい geographical name; place-name

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地名
ちめい
geographical name; place-name

土地につけられた固有名詞。居住地名,行政地名,自然地名などがある。狭義には自然地名を含まない。厳密には地表面のある部分,ある範囲につけられた呼称で,地点や一定の地域を示す名称から,広大な地域を総称する地方名まである。

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デジタル大辞泉の解説

ち‐めい【地名】

ある土地の呼び名。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちめい【地名】

地名はある特定の土地につけられた固有の名である。人間が地球上で社会的に生活し,生産し,交流するうえで,ある特定の地域と他の特定の地域を区別して指示することはどうしても必要である。狩猟・採集の原始時代においても,シカのとれる山,サケのいる川を共同生活者に伝えるためには,その場所を指示する特定の名が必要であった。すなわち地名は,(1)ある特定の地域が,(2)人間に必要な固有の内容をもっていることによって命名された。

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大辞林 第三版の解説

ちめい【地名】

ある土地の名前。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地名
ちめい

地名は土地に名づけられた名称であるが、広義には地理的なすべての存在に対する固有名詞の総体をさすから、河川、海域などの名も含まれる。国連地名会議では、総体をgeographical name、居住地名をplace name、自然地名をtoponymという区別を定めている。水域の名称には「水名hydronym」という語を使うこともある。地名は人名のように、それぞれの土地に冠せられた名称で、居住地域の範囲を示す。地名は山川草木など自然的環境を表現する自然地名と、その場所の歴史や開拓者名を残す人文・歴史地名とに大別される。うち行政地名とは何々市、何々村の名称のことである。[藤岡謙二郎・鏡味明克]

自然地名

自然地名とは地名のなかで、山河や気候、生物その他の自然的環境を地名としたものである。平安時代の『和名抄(わみょうしょう)』には山や谷を表す嶽、丘、峯、嶋、石清水(いわしみず)などの自然に関する文字が出ているが、それ以前の奈良時代の「風土記(ふどき)」にも、すでにこれらの文字を冠した地名が出ている。たとえば『播磨国(はりまのくに)風土記』では日岡(ひおか)、手苅丘(てがりおか)、草上(くさかみ)、長畝川(ながうねがわ)、大野(おおの)(とほり)、高瀬(たかせ)、鷁住山(さぎすみやま)、塩阜(しおおか)、高嶋(たかしま)、萩原(はぎわら)、御井(みい)、清水(しみず)、无水川(みなしがわ)、鹿庭山(かにわやま)などがあげられ、萩原については揖保(いぼ)郡の条で「萩多く栄えき。故(かれ)、萩原といふ」、无水川については「川の水絶えて流れず。故、无水川と號(なづ)く」と説明している。自然地名のうちには、東西南北などの方位や太陽の位置を示す東村、西村、西田、北山、日向(ひなた)、日出(ひじ)、日野のほか、気象現象の雷(いかずち)、氷(ひょう)ノ山、また雲、火山、温泉に関しては相接した火山を双子(ふたご)(両子)山、火口から噴火する焼火(たくひ)山(島根県隠岐島前(おきどうぜん))などがある。そのほか生物や鉱物地名では真鶴(まなづる)岬(神奈川県)、鷲羽(わしゅう)山(岡山県)などがあり、山口県光(ひかり)市の室積(むろづみ)半島先端部に形成された陸繋砂嘴(りくけいさし)には象の鼻に似た象鼻(ぞうび)ヶ岬がある。千葉県房総半島の小湊(こみなと)湾は鯛(たい)の産地であるため鯛ノ浦の名がつけられている。同様に中国山地はじめ砂鉄に関係のある鉄穴(かんな)や金山(かなやま)の地名は全国各地に分布する。そのほか錫(すず)ヶ岳、硫黄(いおう)山(島)の地名も多い。ただし、これらの地名のうち、当て字や同音異義の地名には注意が必要である。たとえば、鷹(たか)島のなかには高島を当て字にしたものがあるし、医王山(いおうぜん)と書く「いおう山」は薬師如来(やくしにょらい)による仏教地名である。また北海道ではアイヌ語源の地名も多く、アイヌ語で川はペツというが、北海道の登別(のぼりべつ)はヌプルペツ(色の濃い川)で、その旧称幌別(ほろべつ)はポロペツ(大きい川)という意味である。そのほか島のつく地名も多いが、海岸ではなく内陸の場合では、たとえば富山県の礪波(となみ)平野にみるように緩扇状地上の旧河川の自然堤防、すなわち島のようになった微高地を意味する場合もある。
 これを外国についていっても、フランクフルトのフルトfurtは川にちなむ地名、ハイデルベルクやニュルンベルクなどのベルクbergは山の関係地名である。そのほかケープは岬関係の地名で、アフリカ南端の喜望峰Cape of Good Hopeにちなむ都市ケープ・タウンがある。またファースfirthすなわち峡湾や氷河作用によるフィヨルドfjordが地名となっているものは北欧やイギリスに多い。さらに日本の日向地名はドイツではSonnen Seite(日の当たる側)の名でよばれる。中国でも四川(しせん/スーチョワン)、湖南、湖北、河南などの各省名は黄河や長江(ちょうこう/チャンチヤン)に関連する自然的行政名であり、広州(こうしゅう/コワンチョウ)市の州は珠江デルタを想起する。そのほかアメリカ合衆国のソルト・レーク・シティSalt Lake Cityは文字どおり鹹(かん)(塩)湖畔に位置する市町である。[藤岡謙二郎・鏡味明克]

人文・歴史地名

自然地名以外の地名。このなかには行政地名も含まれる。すなわち戦後誕生した団地における希望ヶ丘、富士見台、平和通り、ハイランド(横須賀市)などである。一方、歴史地名はその数がもっとも多く、とりわけ日本の地名は古代・中世起源のものがもっとも多い。九ノ坪や三条などの条里条坊地名はいまも全国の農村地域に多く残っている。また市場や市(いち)地名も多い。御坊(ごぼう)という地名(和歌山県ほか)もまた中世末の真宗寺院を中心とした寺内町(じないまち)地名である。ほかにも国府や府中、惣社(そうじゃ)、郡(こおり)、国分、国分寺(こくぶんじ)市などの行政地名はその起源を律令(りつりょう)時代に有している。また御園(みその)や荘(しょう)地名も全国にその分布が多く、中世起源の地名である。一方、山下(さんげ)や根古屋(ねごや)、政所(まんどころ)は中世末、初期の城下町地名である。これに対して近世地名は城下町や宿場町、新田開発地域に多い。大手町、伝馬(てんま)町、殿(との)町、城地、丸ノ内、二ノ丸町、両替町、銀座、材木町、米屋町、魚屋町、呉服町、八百屋(やおや)町、金物町などは近世の城下町地名であり、沖縄県では豊見城(とみぐすく)など城のことを「グスク」とよんでいる。そのほか馬場町や旅籠(はたご)町は旧宿場町に多い地名である。一般に城下町と宿場町を兼ねた町では、商業地名が多い。また鉱山町では銀山町、銅座町などの地名も残る。一方、臨海や内陸盆地の新開地では新開とか開(ひらき)、新地、出島、新畑などの地名が多く、大阪では町人請負新田が多く、加賀屋新田や鴻池(こうのいけ)新田などの屋号を冠した地名が残る。佐賀平野では搦(からみ)、籠(こもり)(ともに干拓地に付される)など、また山口県の周防灘(すおうなだ)地域では開作地名が多い。搦は竹・木などの柵(しがらみ)により満潮時の泥土をため、耕地化する干拓法である。籠は河川や沼などの改修による新開地である。そのほか山形県では新田を興屋(こうや)とよんでいる。ほかにも出村(でむら)とは新しい子村のことであり、九十九里(くじゅうくり)浜の砂丘地帯では岡集落や納屋(なや)集落を物語る地名がある。納屋集落は、もと漁具を入れる納屋のあった場所に岡の住民が移住したものである。そのほか行政地名には『和名抄』の郡や郷地名がいまもなお残存する府県が多く、たとえば近江(おうみ)国(滋賀県)では、滋賀、栗本(くりもと)、甲賀、野洲(やす)、蒲生(がもう)、神崎(かんざき)、愛智(えち)、犬上(いぬかみ)、坂田、浅井、伊香(いか)、高島の12郡があったが、1990年代なかばから2000年代なかばにかけて行われた平成の大合併までは、そのいずれもが郡名として残っていた(ただし栗本は栗太、愛智は愛知、浅井は東浅井(ひがしあざい)郡となっていた)。そのほか郷名が現存するものはきわめて多い。ところが明治になると、従来の国名や藩名にかわって新しい府県名が誕生するのである。近畿地方や関東地方、京都府などの行政名のほか、市名にも新しいものが誕生した。京都府下の場合、ことに城陽市、長岡京市などの新市は戦後の行政地名であり、山梨県の南アルプス市、福島県のいわき市、茨城県のつくば市、ひたちなか市、東京のあきる野市など平仮名や片仮名の行政名も増えてきた。外国の場合もローマンロードといった道路名は歴史の古さを物語るし、ニューカッスルなどの城地名も多い。ドイツでは、ハンブルクやアウクスブルクなどブルクburg地名が城下町名である。[藤岡謙二郎・鏡味明克]

地名と人名

地名と人名はどちらが古いかが問題となるが、人名を地名とした場合と、反対の場合とがある。たとえば古代豪族蘇我(そが)氏の居住した地域を曽我(そが)川とよび、同様に和邇(わに)氏や小野氏などの居住地が滋賀県では現存地名として残っている。また大阪市の高麗(こうらい)橋や佐賀県の唐津(からつ)などの名称は渡来人の居住地を物語る。ほかに、その数の多い東村、中村、小川、古川、泉、小清水、島村、谷中(やなか)、池本、大島、小島、森山などは自然地名を人名としたものが多く、その年代も新しいものが多い。また田村、沼田、桑原、橋本、竹林など土地利用や景観をとって人名としたものもある。また市町村名では気仙沼(けせんぬま)、沼津、大川などは自然名、四日市、大館(おおだて)市などは歴史地名を市名としたものである。
 外国では、探検者や開拓者名を地名としたものが多い。たとえばニュージーランドのクック山やクック海峡はイギリス人探検家のJ. Cookの名をとったもの、タスマニアはオランダ人航海家A. Tasmanの名を冠した島である。そのほかワシントンは大統領G. Washingtonの名を冠した都市であり、パプア・ニューギニアのビスマーク諸島はもとドイツの保護領で将軍ビスマルクBismarckの名をとったものである。サンクト・ペテルブルグのソ連時代の名称レニングラードLeningradは革命家レーニンの名をとったもので、帝政時代にはピョートル1世が建設、ペテルブルグ、ペトログラードPetrogradともよばれた。
 このほかアフリカにはイギリスの探検家スタンリーH. M. Stanleyを記念してスタンリー滝があり、南米の1月の川を意味するリオ・デ・ジャネイロRio de Janeiroは、ポルトガルの探検家が到達した年の月を都市名としたものである。[藤岡謙二郎・鏡味明克]

地名の改変と保存

一度名づけられた地名は政変その他によって改名されることが少なくない。第二次世界大戦後独立したアフリカの諸国では地名だけでなく国名までがその土地古来のものに変わっている。旧ベルギー領コンゴは1964年コンゴ民主共和国となり、71年以後はザイールZaire共和国となり、首都も古いレオポルドビルがキンシャサとなったが、97年コンゴ民主共和国に戻った。ほかにもなおブラザビルを首都とするコンゴ人民共和国があったが、91年コンゴ共和国となった。コンゴ盆地の名はそのままで、コンゴ川はザイール川ともよんでいる。またイギリス領南ローデシアは1980年にジンバブエZimbabwe共和国として独立した。同様に旧イギリス領ベチュアナランドはボツワナBotswana共和国となり、首都もハボローネとして新設された。そのほか旧ソ連では戦後スターリンにちなむ地名は改名され、スターリングラードはボルゴグラード、スターリノはドネツクとなった。さらに1991年のソ連崩壊後はレニングラードが旧称のサンクト・ペテルブルグに戻るなど、革命家にちなむ地名の旧称への復帰が進んでいる。日本の場合も、明治になって江戸が東京に変わったほか、静岡市はもと駿府(すんぷ)(駿河(するが)府中)または府中とよばれていたのが明治維新後静岡となったし、丹波(たんば)(京都府)の城下町亀山が亀岡となったごとき例は多くある。
 近年では古い歴史地名を保存しようとする運動がある一方、難解地名を改変したり、1962年(昭和37)以後「住居表示に関する法律」の実施に伴ってかえられた地名が少なくない。地名はよきにせよ悪(あ)しきにせよ祖先が名づけた無形の文化遺産であり、各時代に命名された当時の社会的環境を物語っている。ところが1953年以後、広域都市圏構想が打ち出され、市町村合併によって新しい行政地名が誕生した。これらに刺激されて片仮名や平仮名の行政名が誕生した所もある。確かにわれわれは自己の居住地域の名称を、現状にふさわしいものとして改変しうる資格を有している。たとえば封建時代の牢屋(ろうや)町や傾城(けいせい)町などの名称は現在の町名としてはふさわしくないかもしれない。こんな場合や、とくに難解の市町村名は改変すべきかもしれない。しかしこの場合、もとの地名はなんといったかを、同時になんらかの形で国民にあわせ示すべきである。難解な地名の解釈が過去のその地域の歴史を解明する貴重な資料となるからである。
 また地名や字(あざ)名を記した地籍図や土地台帳、さらに地名を記した古地図類も役場や公民館にたいせつに保存し、その土地住民の地名に関する知識を知らしめなければならない。この意味で近年地名の保存運動が盛んになっていることはけっこうなことである。また地名の研究は言語学や歴史学、地理学、民俗学などの研究上でも欠かすことのできない貴重な資料である。
 ちなみに「住居表示に関する法律」は1985年に抜本的な改正が行われ、その改正附則では、「新たな町又は字の区域を定めた場合には、当該町又は字の名称は、できるだけ従来の名称に準拠して定めなければならない」と規定した。[藤岡謙二郎・鏡味明克]
『柳田国男著『地名の研究』(1936・古今書院) ▽鏡味完二著『日本地名学』(1957・日本地名学研究所) ▽山口恵一郎著『地名の成立ち』(1967・徳間書店) ▽吉田東伍著『増補 大日本地名辞書』全8巻(1969~71・冨山房) ▽鏡味完二・鏡味明克著『地名の語源』(1977・角川書店) ▽池田末則著『日本地名伝承論』(1977・平凡社) ▽「角川日本地名大辞典」編纂委員会著『角川日本地名大辞典』県別全47巻、別巻全2巻(1978~90・角川書店) ▽『日本歴史地名大系』(1979~2004・平凡社) ▽藤岡謙二郎編『日本歴史地名辞典』(1981・東京堂出版) ▽吉田茂樹著『日本地名語源事典』(1981・新人物往来社) ▽鏡味明克著『地名学入門』(1984・大修館書店) ▽山中襄太著『地名語源辞典』(1989・校倉書房) ▽千葉徳爾著『新・地名の研究』(1994・古今書院) ▽浮田典良・中村和郎・高橋伸夫監修『日本地名大百科 ランドジャポニカ』(1996・小学館) ▽藤岡謙二郎著『日本の地名』(講談社現代新書) ▽谷川健一著『日本の地名』(岩波新書)』

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