引野(読み)ひきの

日本歴史地名大系 「引野」の解説

引野
ひきの

壱岐の歌名所。「古今集」に「梓弓ひきののつづらすゑつひにわが思ふ人に事のしげけむ」(読人知らず)と詠まれている。「五代集歌枕」では引野を壱岐とする。また「肥壱名勝志」に「壱岐島引野在郡東北叢野也」とあるというが(太宰管内志)、その具体的な比定地も郡名もつまびらかではない。ほかに土御門院小宰相の「誰がかたに心よるともあづさ弓ひき野のつづらくるよありせば」(続後拾遺集)、後九条内大臣の「こころのみひきののまゆみすゑつひにおきふす袖も露のしげけむ」、後久我太政大臣の「物のふもあはれとおもへあづさゆみひきののよはのさをしかのこゑ」(いずれも「夫木抄」)などの歌が知られている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android