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壱岐 いき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

壱岐
いき

長崎県北部,玄界灘にあり,壱岐水道を隔てて佐賀県に対する島。壱岐諸島は壱岐島とその周囲の五つの有人島,および 22の無人島からなる。日本と大陸との交通の要地にあたり,古くから西海道 11国 (9国2島) の一つ,壱岐国を形成。国分寺跡があり,古墳群が多い。室町時代は松浦党,戦国時代以降は平戸藩松浦氏の支配地。全島が低平な玄武岩からなる台地で,最高点は標高 213mの岳ノ辻。島全体を占める壱岐市郷ノ浦勝本芦辺石田の四つの旧町域からなり,それぞれの中心集落はかつての壱岐八浦の郷ノ浦,勝本浦,芦辺浦,印通寺浦である。郷ノ浦は本土の出先機関の集中する壱岐島の中心で,商業機能も島内で最大。江戸時代「浦」とは耕作権をもたない漁村であったのに対して,今日でも「触 (ふれ) 」と呼ばれている農村は耕作権をもち,散村をなす。農業は米作のほか,ミカン,タバコ,野菜の栽培と畜産が主。ニンニクは特産品。漁業は沿岸の一本釣りと定置網が中心。海岸地帯のほとんど全域が壱岐対馬国定公園に属し,観光開発が進む。国の重要無形民俗文化財の壱岐神楽を伝える。石田には壱岐空港があり,長崎市への定期航空路が開かれている。また印通寺浦には呼子港 (佐賀県唐津市) からのフェリーが就航,郷ノ浦港には博多-対馬航路のフェリーが寄港している。壱岐諸島は面積 137.48km2 (1997) 。人口3万 3538 (2000) 。うち壱岐島のみは面積 134.69km2 (1997) 。人口3万 2979 (2000) 。

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デジタル大辞泉の解説

いき【壱岐】

旧国名の一。現在の長崎県壱岐全島にあたる。壱州(いっしゅう)。
長崎県北部、玄海灘にある島。面積約134平方キロメートル。古くから対馬(つしま)とともに朝鮮半島や中国との通路にあたる要地。湯ノ本温泉がある。いきのしま。
長崎県の壱岐を占める市。平成16年(2004)に郷ノ浦(ごうのうら)町、勝本町、芦辺(あしべ)町、石田町が合併して成立。漁業が主要産業。人口2.9万(2010)。

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百科事典マイペディアの解説

壱岐【いき】

九州の東松浦半島北北西約20kmにある島。長崎県壱岐市1市からなる。多数の属島を含め面積138.56km2。玄武岩におおわれ低平な台地状を呈し,最高点は岳ノ辻(213m)。
→関連項目芦辺[町]壱岐水道石田[町]勝本[町]郷ノ浦[町]長崎[県]松浦氏

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションの解説

いき【壱岐】

長崎の壱岐焼酎。壱岐でいちばん高い山、岳ノ辻の伏流水を使用し単式蒸留器で造る。一般酒のほか、シェリー樽で熟成させた「スーパーゴールド」や15年熟成古酒「ロイヤル」などがある。原料は大麦、米麹。アルコール度数20%、25%、35%、40%など。蔵元の「玄海酒造」は明治33年(1900)創業。所在地は壱岐市郷ノ浦町志原西触。

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デジタル大辞泉プラスの解説

壱岐

長崎県、玄海酒造株式会社が製造・販売する麦焼酎

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世界大百科事典 第2版の解説

いき【壱岐】

九州北部,東松浦半島から壱岐水道を隔てて玄界灘に浮かぶ島。大島など属島を含めて,面積は139.2km2である。西海道の一国〈壱岐島〉として国府や国分寺がおかれ,江戸時代には平戸松浦藩の領地であった。廃藩置県により平戸県を経て長崎県壱岐郡となり,壱岐支庁のある郷ノ浦町を中心に,芦辺,勝本,石田の4町からなる。本土との交通は,福岡市博多港と郷ノ浦(または芦辺)間,佐賀県呼子(よぶこ)と印通寺(いんどうじ)(石田町)間の二つの定期航路がある。

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大辞林 第三版の解説

いき【壱岐】

旧国名の一。壱岐全島にあたる。
長崎県北部、玄界灘にある島。古来、対馬つしまとともに朝鮮航路の要地。全島低平な溶岩台地。面積134平方キロメートル。いきのしま。
長崎県壱岐全島を占める市。漁業・真珠養殖・畑作を行う。観光業も盛んで、弥生・古墳時代の遺跡が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

壱岐
いき

長崎県北部、玄界灘(げんかいなだ)に浮かぶ島。壱岐島ともいう。本島の面積133.82平方キロメートル、属島も含めると136.37平方キロメートル(2005)。人口3万0433、属島も含めると3万0914(2009)。壱岐島と属島とで、壱岐市を形成する。壱岐市の2010年国勢調査による人口2万9377。『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』には一大(支)国として記載され、古くから朝鮮半島への通路にあたり、要地であったため一島一国を形成、壱州(いしゅう)ともよばれた。中世末は松浦(まつら)党の支配下にあり、幕藩体制下では平戸(ひらど)藩に属した。九州本土の博多(はかた)港から67キロメートル、唐津(からつ)東港(佐賀県)から42キロメートルの距離にある。[石井泰義]

地形・集落

全島玄武岩からなる低平な溶岩台地で、標高20~100メートルの間に数段になって広く分布し、その上に岳ノ辻(たけのつじ)(島の最高峰、213メートル)、津ノ上(つのかみ)山(134メートル)、男岳(おんだけ)、女(めん)岳などの火山が噴出している。台地を刻む河谷は、東流する谷江川、河内(かわち)川がもっとも大きく、西海岸はリアス式をなし、河谷は短小である。海岸には海食崖(がい)、海食洞の発達が著しく、とくに北部の赤瀬(あかせ)鼻や、辰(たつ)ノ島の蛇ヶ谷(じゃがたに)は雄大な景観を呈する。
 集落は在(ざい)と浦とに分化し、在は台地上にある農業集落で、散村形態をとり、触(ふれ)とよばれる字(あざ)名を有している(東触(ひがしふれ)、木田触(きだふれ)など)。浦はリアス式海岸の湾奥部に位置する漁業集落で、集村形態をとり、芦辺浦、郷ノ浦、印通寺(いんどうじ)浦、湯野本浦、八幡(やはた)浦、勝本浦、瀬戸浦、小崎(こさき)浦の八つに限られ、壱岐八浦とよばれた。明治以後、都市的機能をもつ島の中心集落として発達したのは八浦のうちの芦辺、郷ノ浦、印通寺、勝本の四つで、湯野本浦は温泉集落となり、八幡、瀬戸、小崎が漁業の専業を続けている。[石井泰義]

産業


農牧業
米、葉タバコ、和牛が壱岐の三大農産物で、米作は台地を刻む河谷および湾奥の干拓地に行われ、河内川沿岸の深江田原(ふかえたばる)がもっとも広い。台地上は畑作が主で、サツマイモ、麦、葉タバコのほか、大豆、ニンニクなどを栽培したが、昭和30年代にボーリングによる地下水の採取に成功、さらに梅ノ木ダム、当田(とうだ)ダムの建設によって畑地灌漑(かんがい)が行われ、ミカン、野菜の栽培への転換が増大している。牛は総頭数1万2459頭(2002)を数え、海岸台地上での放牧がみられるが、全島的には牧舎飼いが主である。[石井泰義]
漁業
漁業の主体は壱岐八浦に限られ、勝本は、七里ヶ曽根(しちりがそね)の好漁場に恵まれ、ブリ、イカの一本釣りを主とし、その水揚げは全島一である。芦辺地区の赤瀬のブリ定置網は日本有数の漁場をなしている。八幡浦、小崎浦は、藩政時代アワビ、サザエなどの採取の特権を与えられた海士(あま)・海女(あま)の漁村で、現在も採取を主としている。[石井泰義]

観光

博多湾、唐津東港からフェリーボートが就航、対馬(つしま)とも通じる。壱岐空港は長崎空港と結ばれている。海岸部を中心に壱岐対馬国定公園に含まれ、古くから大陸との交流に関する遺跡が多く、原の辻(はるのつじ)遺跡(国指定特別史跡、弥生(やよい)期)、神功(じんぐう)皇后ゆかりの聖母(しょうも)宮、鬼ノ窟(いわや)古墳(国指定史跡、横穴式古墳)、元寇(げんこう)千人塚などがある。自然景観にも恵まれ赤瀬(あかせ)鼻、左京(さきょう)鼻などの雄大な海食崖、海岸台地や蛇ヶ谷、鬼ノ足跡などの海食洞は奇景を呈する。湯本湾奥には壱岐唯一の壱岐湯ノ本温泉があり、海水浴場としては筒城(つつき)浜、錦(にしき)浜がある。[石井泰義]
『『玄海に浮ぶ壱岐対馬』(1968・長崎県市町村自治振興会) ▽後藤正足著『壱岐郷土史』(1978・歴史図書社) ▽長崎県編『長崎県文化百選7 壱岐・対馬編』(2001・長崎新聞社) ▽岡崎敬・春成秀爾著『魏志倭人伝の考古学 対馬・壱岐篇』(2003・第一書房)』

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