…そこには,量的変化(増減,膨縮など),質的変化(物質の色の変化など),生成消滅(実体上の変化)が,位置運動のほかに,運動として数えあげられていた。位置運動に関しては,自然運動と強制運動が区別される。前者は,その運動体の本性に従って起こるものであり,完全さをその本性とする天体の世界にあっては,位置運動としてただ一つ許された等速円運動がそれであった。…
…近代的文脈のなかで最も典型となるのは,デカルトのそれであるが,アリストテレス以来,ギリシア,イスラム,中世ヨーロッパを支配した運動論は,おおむねこの範疇(はんちゆう)に属する。アリストテレスは,地上での運動は,自然落下運動を除くと強制運動としてとらえたが,それは,本来運動原理をもたない物体が他の作用者から力を受けとって強制的に運動させられる,という考えに基づいていた。このとき力は,運動の原因である。…
…すなわち天体の場合と同様,その物体を構成する要素の本性に従って起こるものであり,天体を構成する完全な原質エーテルに対して,月下界の物質は土,水,空気,火から構成されているため,土,水,空気が共有する宇宙の中心へ向かう本性に従って,火を除くすべての地上的物質は下方に落下することになる。もう一つは,他からの運動力を受けて起こされる強制運動である。物質は一般に静止の状態にあることが常態であり,落下以外は外から力を受けて初めて運動状態となる。…
…運動論としてはその典型をアリストテレスに見ることができる。アリストテレスでは,天体の運動と地上の運動とは,まったく性質の異なるものとして分けられ,天体の運動は力によって動かされるような種類の運動(強制運動と呼ばれる)からは除外されていた。地上の世界において,自然落下運動以外のほとんどすべての運動は,強制運動に属している。…
※「強制運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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