手段との相関概念で、広くは事象一般、狭くは人間の行動がそれへの到達またはその実現のために向かうことを予定される目当て、目標、理想をいう。手段と目的の相関性は、たとえば健康は幸福という目的の手段であるが、さらに適当な運動、睡眠、節制などは健康を目的としてその手段となる、ということで説明される。あらゆるものがその手段となり、それ自体はもはや他のものの手段とならない目的は究極目的だが、その可能性や存在は古来の形而上(けいじじょう)学の課題である。目的の最初の詳細な哲学的探究はアリストテレスにみられる。彼は運動し変化する感覚的事物の原因に、質料因、形相因、始動因、目的因の4原因を分類した。目的概念が哲学で問題になるのは事象の解明で前述の目的因を重視する目的論との関係においてであり、それには、自然が目的を志向して動くとみて無目的な機械的自然観と対立する立場と、行動の義務、評価を目的のよさに帰着させる見地とが考えられる。
[杖下隆英]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
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