掃気(読み)そうき

百科事典マイペディア 「掃気」の意味・わかりやすい解説

掃気【そうき】

2サイクル機関において,シリンダーから燃焼ガスを追い出し,新しい空気を充てんすること。膨張行程の終り近くで,排気ポートを開けるのに引き続いて給気ポートを開けることによって行われる。

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世界大百科事典(旧版)内の掃気の言及

【ガソリンエンジン】より

…シリンダー壁には排気ポートと吸気ポートがあり,膨張行程の終りでまず排気ポートが開き燃焼ガスの一部が排出され,さらにピストンが下がって吸気ポートも開くと新気が進入し残りの燃焼ガスを追い出す。この過程を掃気と呼び,これができるだけ完全にまた効率よく行われることが重要である。掃気するため新気を圧縮する必要があるが,小型のエンジンでは図のようにクランク室を利用して圧縮する方式がもっぱら用いられる。…

【内燃機関】より

… 弁の開閉は作動ガスおよび動弁機構の慣性があるためちょうど上・下死点では開閉せず,4サイクル機関では排気弁を下死点前に開け,上死点後に閉じ,また吸気弁を上死点前に開け,下死点後に閉じる。2サイクル機関では,膨張行程の終り近くで排気ポートに引き続き給気ポートを開けてシリンダーから燃焼ガスを追い出し,新気で充てんすること(これを掃気という)によりガス交換を行うが,新気をあらかじめ圧縮しておくために掃気ポンプが必要となる。 実際の機関では,作動ガスが1サイクル当りピストンになす仕事(図示仕事)は図で曲線に囲まれた面積Wで与えられるが,この大きさは燃焼室壁からの熱損失,燃焼室に出入りする際のガスの流動損失などにより,図1-a図1-b図1-cの熱力学的サイクルで得られるはずの理論仕事より少なく,さらにクランク軸から得られる正味仕事はしゅう動部の摩擦損失分だけ少ない。…

※「掃気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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