朝日日本歴史人物事典 「李密翳」の解説
李密翳
天平8(736)年8月,遣唐副使中臣名代の帰国に同行して来日した波斯(ペルシャ)人。同年11月に唐人皇甫東朝と共に位を授けられた。医師,楽人,幻術師,商人やゾロアスター教の司祭などいくつかの説があるが,正倉院に残るペルシャ系文物の存在を考慮して,官営工房などに属し,技術の伝授を行った工匠ではないかとする見方が有力である。『続日本紀』にみえる唯ひとりのペルシャ人。
(森公章)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報