朝日日本歴史人物事典 「松田長元」の解説
松田長元
江戸中期の本草家。田村藍水の門人。宝暦7(1757)年湯島で開かれた江戸最初の薬品会(物産会)の主要出品者。平賀源内が企画して藍水が会主となったこの薬品会は,20人により約180種の自然物が展示された。長元は以降毎年のように開催された薬品会に出品,同10年には自ら会主となり市ケ谷で薬品会を開いた。また大坂の戸田旭山 の物産会にも出品し,本草学の知識交流をはかる。同12年まで江戸で5次にわたって開かれた薬品会の記録は,源内によって『物類品隲』(1763)としてまとめられている。<参考文献>上野益三『日本博物学史』
(遠藤正治)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報