精選版 日本国語大辞典「比・較・競」の解説
くら・べる【比・較・競】
〘他バ下一〙 くら・ぶ 〘他バ下二〙
※書紀(720)武烈八年三月(図書寮本訓)「狗(いぬ)を走し馬を試(クラフ)」
※後撰(951‐953頃)春下・九三「わが宿の歎きは春もしらなくに何にか花をくらべてもみむ〈惟喬親王女〉」
② 二つ以上のものの優劣や勝敗をきそう。はりあう。競争する。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃)七「余の力士と力を
(クラヘ)て相撲す」

③ 心を通わせあう。
※土左(935頃)発端「としごろよくくらべつるひとびとなん、わかれがたくおもひて」
くらべ【比・較・競】
〘名〙 (動詞「くらべる(比)」の連用形の名詞化。多く語素として用いる)
① くらべること。比較。照合。
※後撰(951‐953頃)恋一・五五四「君を思ふ深さくらべに津の国の堀江見に行くわれにやあらぬ〈平貞文〉」 〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 互いに比較して優劣をきそい合うこと。きそいあい。競争。「根(こん)くらべ」 〔十巻本和名抄(934頃)〕
※虎寛本狂言・粟田口(室町末‐近世初)「此間のあなたこなたの御道具くらべは」
くら・ぶ【比・較・競】
〘他バ下二〙 ⇒くらべる(比)
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