デジタル大辞泉
「他動詞」の意味・読み・例文・類語
たどう‐し【他動詞】
動詞を意味の上から分類した一。その動詞の表す動作や作用が直接他に働きかけたり、他をつくり出したりする働きとして成り立つもの。動作・作用が及ぶ対象は、ふつう格助詞「を」で表される。「本を読む」「窓を開ける」の「読む」「開ける」などの類。⇔自動詞。
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たどう‐し【他動詞】
- 〘 名詞 〙
- ① 英語などで、目的語をとり、主客を転換して受動相をつくることのできる動詞。
- ② 日本語の動詞で、その作用が及ぶ対象の事柄を、「を」格の目的語としてとるもの。「火が消える」「窓が開く」における「消える」「開く」を自動詞というのに対して、「火を消す」「窓を開ける」の「消す」「開ける」の類をさす。「(本を)読む」「(石を)投げる」など、対立する自動詞のないものもある。また、「(空を)飛ぶ」「(門を)出る」のように「を」で経過点を示すような移動を表わす動詞の類は、自他の決定に説が分かれる。〔小学日本文典(1874)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
他動詞
たどうし
transitive verb
動詞のうち,目的語をとるもの。自動詞と対をなす。目的語を普通はとらず自動詞とされるものでも,英語の walk it (歩いて行く) のように臨時の目的語をとることもあり,普通は目的語をとるので他動詞とされるものでも,行為自体に重点をおくときは目的語を省くことがある。意味のうえでは,他動詞はほかに作用が及ぶ行為を,自動詞は主体だけで完結する行為を表わすといえるが,文法的な規定と意味的な規定とは必ずしも対応しない。なお,日本語には,逃げる-逃す,あく-あけるのように自動詞と他動詞とが対になって対応するものがあり,その語尾の対応の型がいくつかある。
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他動詞【たどうし】
動詞の一つ。自動詞の対。能動態で直接目的語をとり,同時にその目的語を主語にして受動態を作ることのできるもの。印欧語には特に二つの直接目的語をとる動詞,他動詞の働きをしながら形式は受身をとるものがあり,形式だけで自・他動詞を区別できない。
→関連項目目的語
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世界大百科事典(旧版)内の他動詞の言及
【日本語】より
…[品詞]
[基本文型と語順]
文の骨組みは,どの言語でも,動作,できごと,状態,物の性質などを表す述語を中心として組み立てられる。述語が他動詞の場合,その文の中心的要素はその動詞(V)と,その動作主(S),その動作の受け手(O)の三つである点はどの言語にも共通していることと思われるので,言語類型論では,その3要素の配列順から,世界の諸言語を類型化している。一番多いのがSOV型で,日本語は〈太郎が亀を助けた〉のような順になるから,この型に属する。…
※「他動詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」