最新 地学事典 「田老鉱山」の解説
たろうこうざん
田老鉱山
Taro mine
岩手県宮古市田老にあったCu・Pb・Zn・硫化鉱の鉱山。地質は下部白亜系の原地山層(安山岩質火砕岩)・花崗閃緑岩など。鉱床は原地山層中・上部層のデイサイトと同質火砕岩・堆積岩中の剪断帯に雁行配列するレンズ状鉱体。本山鉱床の十数個の鉱体のうち最大は走向延長500m, 傾斜延長400m, 厚さ12m。鉱体の上盤側にPb・Zn, 下盤側にCuの分布することが多い。鉱石鉱物は黄鉄鉱・黄銅鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱・磁硫鉄鉱・磁鉄鉱・輝銅鉱・安四面銅鉱・エレクトラム,脈石鉱物は石英・緑泥石・セリサイト・方解石・石膏・重晶石など。かつてキースラーガー型とされたが,関連火成岩・鉱物共生・S同位体比などから黒鉱型とされた。K-Ar年代は花崗閃緑岩117Ma, 原地山火山岩116Ma, セリサイト・石英化岩125Ma。発見の歴史は不明。1854~1919年断続的に鉄鉱採掘,1919年ラサ鉱業(株)所有。72年閉山までの粗鉱出鉱量約600万t。品位例Cu0.4%,Pb2.5%,Zn7%。
執筆者:矢島 淳吉
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

