由由げ（読み）ゆゆしげ

精選版 日本国語大辞典

ゆゆし‐げ【由由げ】

〘形動〙 (形容詞「ゆゆしい」の語幹に接尾語「げ」の付いたもの)

① 忌み憚るべきさま。見るからにおそれ慎むべきさま。また、縁起でもないと思えるさま。

※宇津保（970‐999頃）国譲下「自ら参りて聞えさせんとせしを、ゆゆしげなるさまに思う給へつつみてなん」

② いかにもはなはだしげなさま。また、あまりひどくて、いやになるようなさま。

※枕（１０Ｃ終）九「これは翁丸かと見せさせ給ふ。似ては侍れど、これはゆゆしげにこそ侍るめれ」

③ いかにも非凡なさま。いかにもりっぱであるさま。

※後鳥羽院御口伝（1212‐27頃）「歌見知りたるけしき、ゆゆしげなりき」

出典　精選版 日本国語大辞典