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語幹 ごかんstem

翻訳|stem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

語幹
ごかん
stem

単語の構成要素の一部で,単語から語尾を除いた残りの部分。語根がそのままなったり,語根に接尾辞がついた形がなったりする。膠着語においては,語幹は第2次,第3次,…と延長されることがある。'jom=u「読む」では'jom=が語幹であるが,'jom-ase=ru「読ませる」,'jom-ase-rare=ru「読ませられる」,さらに'jom-ase-rare-mas=eN「読ませられません」とまでなる。トルコ語も同様。 sev-in-dir-il-me-mek「喜ばせられないこと」 (sev-〈愛する〉,-in-〈再帰〉,-dir-〈使役〉,-il-〈受身〉,-me-〈否定〉,-mek〈不定詞〉) など。その単語の語義的意味は,語幹のなかに存在するとみることができる。

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デジタル大辞泉の解説

ご‐かん【語幹】

国文法で、用言活用語尾を取り除いた変化しない部分。「書く」の「か」、「早い」の「はや」の類。⇔語尾
インド‐ヨーロッパ語で、人称語尾・格語尾・活用語尾を除いた語の基となる部分で、接尾辞をも含む。母音交替によって文法的機能の差が指示される。

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百科事典マイペディアの解説

語幹【ごかん】

単語の一部で語形変化の基礎になる部分。日本語では用言で変化しない部分をいい,これに活用語尾がつくが,形容詞形容動詞では独立性が強い。例〈しずか(だ)〉。屈折語膠着語ではふつう語根接辞が加わったものが名詞,形容詞,動詞の語幹になる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ごかん【語幹 stem】

言語学の用語。同一の単語(といえるもの)が,あらわれる文脈によって,多くの場合にその意味の一部分を変異させつつ,その形の一部を変異させること(〈活用〉)があり,その場合に,文脈のいかんにかかわらず不変である部分を語幹と呼ぶ。ただし,個々の場合においては,どこまでを語幹とすべきか難しい問題となることがある。たとえば,日本語(の共通語)においてnaku(泣く)は,naka‐nai,naki‐tai,naku(hito),naku‐na,nake‐ba(ii),nake,nai‐taといった形であらわれるが,この場合,語幹をna‐とするか,nak‐とするかが問題になる。

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大辞林 第三版の解説

ごかん【語幹】

国文法で、用言の活用語尾を取り除いた変化しない部分。「歩あるく」「速はやい」の「ある」「はや」など。 〔「着る」 「来る」など、語によっては語幹と語尾がはっきり分けられないものもある〕 ↔ 語尾
〔stem〕 印欧語などで、屈折する語の変化しない部分。語根。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

語幹
ごかん

語の構成要素の一つで、接辞が付属しうる部分。語幹の意味が接辞の意味により修飾され、その逆ではないという点で、語幹が語の中核となる。「見‐ル」「見‐レバ」では、語幹〈見〉に(同一の文法クラスに属する語幹のすべてについて、語形変化系列をつくる)屈折接辞が付属する。「ふる‐本」「本‐や」では、語幹〈本〉に(限られた範囲の語幹について別の語幹または語をつくる)派生接辞が付属する。「古本屋」は「〔ふる‐本〕‐や」と分析でき、〈ふる本〉はここでは語幹として働く。また「本」のように接辞をもたず、語幹だけで語になる場合もある。語幹は語彙(ごい)的意味を、屈折接辞は文法的意味を示すといわれることがあるが、この区別は意味の程度の差に基づく相対的なものである。[山田 進]

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世界大百科事典内の語幹の言及

【活用】より

…さらに助動詞〈だ〉の各変化形を,それぞれ1単語(助詞)と考えることもできるが,各変化形の用法は動詞・形容詞の各変化形にほぼ一致し,各変化形を通じて意味上一貫性が認められるので,1個の活用系列中に収める。
[語幹と語尾]
 動詞・形容詞(および形容動詞)では一般に,交替の行われる音節以下を活用語尾,それに先だつ部分を語幹と呼ぶが,動詞のルレ添加型では,直前の1音節(考えルの〈え〉,試みルの〈み〉)までを語尾に含める習慣である。なお,見ル・出ル・来ル等では,ルの前が1音節にとどまるが,これらは語幹・語尾の別のないものという分類をうける。…

【言語】より

…このような交替する要素は〈接辞〉と呼ばれるが,正確を期するためには〈屈折接辞〉とでも呼ぶべきである。屈折接辞は,音形のちがいを無視して意味の同じものを同一物と考えると,ある品詞に属する単語(の本体,すなわち〈語幹〉)には原則としてそのすべてに直接もしくは間接的に接続しうる。その際かなり強く結びつくことを特色とする。…

※「語幹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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