真景累ケ淵(読み)しんけい かさねがふち

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「真景累ケ淵」の解説

真景累ケ淵
しんけい かさねがふち

歌舞伎浄瑠璃外題
作者
竹柴万次
補作者
竹柴金作 ほか
初演
明治31.2(東京・真砂座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の真景累ケ淵の言及

【怪談】より

…また昭和に入っては宇野信夫作《巷談宵宮雨(こうだんよみやのあめ)》(1935年9月,6世菊五郎主演)などが好評を博した。【小池 章太郎】
[怪談噺]
 人情噺を得意とする落語家が,たとえば三遊亭円朝作《怪談牡丹灯籠》(《怪異談牡丹灯籠》)や《真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)》のような因果・因縁物語の途中や終りにおいて幽霊を出す噺をいう。怪談噺を口演する落語家は,高座に背景をかざって,すごい調子で噺をつづけ,いよいよ凄惨の気がクライマックスに達したところで,高座の明りを消し,細い竹の先につけた焼酎火(しようちゆうび)を,高く,低く動かして,いっそう凄味を増し,やがて,高座に青い照明を投げかけると,ドロドロの太鼓とともに,演者の肩のあたりに前座の扮した幽霊があらわれ,ざんばら髪で,両方の手を胸のあたりに七三に下げ,白装束のうすもののすそをひいて,あっちへふわり,こっちへふわり,すり足で歩き,しばらく女性や子どもをおびやかしたあげく,〈はて,おそろしき執念じゃなあ〉というせりふとともに,ぱっと高座をあかるくして,〈まず,今晩はこれぎり……〉と終演した。…

【累物】より

…歌舞伎,人形浄瑠璃の一系統。承応~寛文期(1652‐73),下総国羽生(はにゆう)村(現,茨城県水海道市)で,嫉妬に狂った醜婦の累が鬼怒川で夫与右衛門に殺され,怨念は一族にたたるが,廻国中の祐天上人の祈念で解脱するという法蔵寺因縁譚が,法蔵寺の開帳や《死霊解脱物語》の出版で都会に流布した。これが《大角力藤戸源氏(おおずもうふじとげんじ)》(1731)で初めて歌舞伎化された。《伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)》(1778)以後は,たいてい伊達騒動を脚色した時代物の世界に繰り込まれるとともに,そのヒロインが鏡を見て自分を醜婦と知り,主人歌形姫に対する夫の忠義に嫉妬し殺される段取りが,累物の系脈を作った。…

※「真景累ケ淵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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