③は「芸題」とも書く。
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
(1)古文書の様式の一つ。申状(もうしじょう)・解状(げじょう)などの上申文書の袖(そで)や奥に、上級者がその文書に対する裁決や証明・認可の旨を記したもの。平安時代には私領の譲与などに際して、国司(こくし)の承認を求める解(げ)を提出し、国判を受けねばならなかったが、これは通常、解の余白に記された。また、鎌倉幕府では、初め御家人(ごけにん)の所領譲与に対して、その安堵(あんど)のため、幕府の下文(くだしぶみ)・下知状(げちじょう)が発給されていたが、1303年(嘉元1)から、こうした譲与安堵には、下文などは発給せず、申請者の提出した譲状(ゆずりじょう)の袖にその譲与を安堵する旨を、執権(しっけん)・連署(れんしょ)の署判による下知状の様式で書き込むこととした。これを「安堵の外題」という。
(2)掛軸・書物などの表紙に記す表題。表紙にじかに記したり、細長い短冊型の紙(題簽(だいせん))に書し、表紙や巻子(かんす)の外側端に貼(は)ったりする。
(3)歌舞伎(かぶき)や浄瑠璃(じょうるり)などの脚本の題名。芸題。おもに上方(かみがた)における名称で、江戸では名題(なだい)という。
[千々和到]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
古代~中世,役所や上級者に文書(解状(げじょう)・譲状・軍忠状・着到状など)で上申した際,その文書の袖・奥あるいは裏に,内容を承認した旨の文言と責任者の署判が記されることがあった。この上申文書の余白に記されたものが外題で,免判・証判ともいった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…守護大名,戦国大名,国人の裁判のなかには〈調停〉の意味が濃い場合があり,近所之儀などと称される紛争解決原理となっている。重要なことは,中世では訴えが提起されたとき,裁判権者がその訴えに理ありと認めればただちに判決する手続(入門(いりかど)という)があり,訴状の右余白に承認文言を記す(外題(げだい))ような解決法があり,被告がこれに承服しないとき初めて理非の審理に入る方向が生ずる。鎌倉幕府下で緻密詳細な訴訟=裁判の手続法が展開するのは,中世の裁判の一側面なのであり,すべてをおおうものではない。…
…解(げ),申状などの上申文書,およびその系譜をひく紛失状,着到状,軍忠状,または解に起源を有する売券,譲状,施入状(寄進状)などの土地財産に関する証文類の余白に記された,その文書に対する承認,確認などの意をあらわす文言と署判のこと。提出された文書の袖,奥,たまには裏に記し,外題(げだい)とも与判ともいう。律令制下では土地所有権の移動は政府の許可を必要としたから,その売買,譲渡,施入(寄進)にあたっては,京職,国司,郡司の承認を求める解を提出する。…
…つぎに表紙の裏側中央部に少量の糊をつけ,その上に中身をのせ,竹べらを用いて背,天地,前小口の順で表紙を中身との間に折り込む。表裏とも表紙をかけ終わったら,表紙と中身の間の前小口に幅6mmほど糊入れし,背にそって4ヵ所を絹糸でとじ,標題紙(題簽(だいせん)または外題(げだい)ともいう)をはる。標題紙の幅は,本の大きさによって一定しない。…
…文字が肉筆で書かれたものもあり,それはとくに書題簽という。しかし,必ずしも題簽を用いるとは限らず,今日の書物のように表紙に直接書き記したものもあり,これを外題(げだい)と呼んでいる。ともあれ題簽は文書を保存しようとするところに生まれ,それを整理するのに便利なようにくふうしたものである。…
…(1)歌舞伎や人形浄瑠璃の題名。江戸の用語で,上方では外題(げだい)(芸題)という。名題は作品の顔とでもいうべきものであったから,作者たちはそれに心を遣った。…
…仮製本や雑誌では,厚手の1枚の紙だけを用いて前後の表紙とする〈くるみ表紙〉が多い。またほとんどの場合表紙にはその本の題名が示されるが,これを表題,または外題(げだい)といい,これを小紙片に印刷・手書きして表紙にはりつけることもあるが,この小紙片を題簽(だいせん)という。製本本【上田 弘】。…
…この場合には本来の形は1通の文書であるが,その中に2通の文書が収められていることになり,これを複合文書という。平安末期ごろには各地の荘園の住人等は,国役(こくやく)等の免除を請う解状(げじよう)を国司に提出するが,国司はこの解状の右端の余白部分にそれを認める旨を記して(これを国司免判(こくしめんばん)あるいは外題(げだい)という)返却する。すなわち本来は1通の解状であるが,それに国司免判が加えられ2通の文書の役割をしているのである。…
※「外題」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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