突立(読み)つきたつ

精選版 日本国語大辞典 「突立」の意味・読み・例文・類語

つき‐た・つ【突立】

[1] 〘自タ五(四)〙
① 急に立ち上がる。つったつ。
源平盛衰記(14C前)四五「其後中将突立(ツキタチ)正面の東妻を立廻」
※蠅(1923)〈横光利一〉三「農婦は〈略〉往還中央に突き立ってゐてから」
② 突きささる。
[2] 〘他タ四〙 =つきたてる(突立)(一)①
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「蝙蝠傘をつきたって」
[3] 〘他タ下二〙 ⇒つきたてる(突立)

つっ‐た・つ【突立】

[1] 〘自タ五(四)〙
① まっすぐに立つ。勢いよく立つ。
義経記(室町中か)四「へさきにつったちて、人にむかひて物をいふやうに、かきくどきて申やう」
② 何もしないでただ立つ。ぼんやり立つ。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「何時の間にか目前に突立(ツッタ)ってゐた」
③ 突き刺さる。
[2] 〘他タ下二〙 ⇒つったてる(突立)

とつ‐りつ【突立】

〘名〙 つきたつこと。一きわ目立ってそびえること。
※山陽遺稿(1841)文集・七・耶馬渓図巻記「行、至仙人巖。巖石突立山頂

つっ‐た・てる【突立】

〘他タ下一〙 つった・つ 〘他タ下二〙
① 先の鋭いものを勢いよく突き刺す。
② まっすぐに立てる。勢いよく立てる。
坑夫(1908)〈夏目漱石〉「空脛二本、棒の様にどてらの真向ふに突(ツ)っ立(タ)てた時は」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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