日本大百科全書(ニッポニカ) 「第一次近衛声明」の意味・わかりやすい解説
第一次近衛声明
だいいちじこのえせいめい
帝国政府ハ南京(ナンキン)攻略後尚(な)ホ支那(しな)国民政府ノ反省ニ最後ノ機会ヲ与フルタメ今日ニ及ヘリ。然(しか)ルニ国民政府ハ帝国ノ真意ヲ解セス漫(みだ)リニ抗戦ヲ策シ、内民人塗炭ノ苦ミヲ察セス、外東亜全局ノ和平ヲ顧ミル所ナシ。仍(よっ)テ帝国政府ハ爾後(じご)国民政府ヲ対手(あいて)トセス、帝国ト真ニ提携スルニ足ル新興支那政権ノ成立発展ヲ期待シ、是(これ)ト両国国交ヲ調整シテ更生新支那ノ建設ニ協力セントス。元ヨリ帝国カ支那ノ領土及主権竝(ならび)ニ在支列国ノ権益ヲ尊重スルノ方針ニハ毫(ごう)モカハル所ナシ。今ヤ東亜和平ニ対スル帝国ノ責任愈々(いよいよ)重シ。政府ハ国民カ此(こ)ノ重大ナル任務遂行ノタメ一層ノ発奮ヲ冀望(きぼう)シテ止(や)マス。
(『日本外交年表竝主要文書』下による)