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策伝 さくでん

朝日日本歴史人物事典の解説

策伝

没年:寛永19.1.8(1642.2.7)
生年:天文23(1554)
室町末から江戸初期にかけての浄土宗の僧で,落語家の元祖とされる。諱は日快。飛騨国(岐阜県)高山城主金森長近の弟。幼少に美濃の浄音寺で出家,京都禅林寺(永観堂)で浄土宗の宗義を学ぶ。山陽地方を遊化し,備前国大雲寺,備中国誓願寺,備後国全政寺などを創建する。いったん美濃浄音寺に帰ったが,慶長18(1613)年に京都誓願寺に入って55世となる。誓願寺塔中竹林寺に住み,そこに草庵を構え安楽庵と号し,茶道をたしなみ狂歌を作り,笑いを取り入れた説教を行った。後水尾天皇に召されて清涼殿で曼陀羅を講釈し,聴衆を感動させたといわれる。また文人,茶人として知られ,豊臣秀吉や当代の文人たちと交遊した。『策伝和尚送答控』は,そのときの交遊録である。京都所司代板倉重宗の求めに応じて『醒睡笑』(8巻)を著し,寛永5(1628)年に重宗に献呈した。この本は,1030余りという膨大な数の笑話を収めており,他に類例はなく,後世の落語,小咄に大きな影響を与えた。これによって策伝は,落語家の元祖と呼ばれることになった。その自序には,「こしかたしるせし筆の跡をみれば,をのずから睡を醒ましてわらふ。さるままにや醒睡笑と名付」と書名の由来が記されている。同7年には『百椿集』を著す。<参考文献>関山和夫『安楽庵策伝』,鈴木棠三『安楽庵策伝ノート』

(林淳)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典内の策伝の言及

【安楽庵策伝】より

…30年《百椿集(ひやくちんしゆう)》を著作。安楽庵における交友録として《策伝和尚送答控》が残されている。安楽庵策伝は文人,茶人としても知られているが,本業はあくまでも説教僧(弁舌家)であり,滑稽な落し噺を説教の高座で多数実演し,その話材を《醒睡笑》に集録して後世に残したため,落語の元祖という名声が最も高い。…

※「策伝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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