美しき天然(読み)ウルワシキテンネン

デジタル大辞泉 「美しき天然」の意味・読み・例文・類語

うるわしきてんねん〔うるはしきテンネン〕【美しき天然】

武島羽衣作詞、田中穂積作曲の唱歌。明治35年(1902)発表。前年刊行の小学校国語教科書「新編国語読本」に掲載された武島の詩に、田中が曲をつけたもの。

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世界大百科事典(旧版)内の美しき天然の言及

【歌謡曲】より

… その後レコードと映画がタイアップした〈主題歌映画〉が,次々と作られ,なかでも1921年の《船頭小唄》(野口雨情作詞,中山晋平作曲)は,大ヒットし,今もなお歌い継がれている。この曲の原型は,サーカスのジンタに使われる《美しき天然》(武島羽衣作詞,田中穂積作曲,1900)にあり,この日本的旋律を,西洋の唱歌の形式にあてはめた形で作られている。〈ヨナ抜き短音階〉が用いられ,俗謡に近い音の構成がされているが,リズムは唱歌的なものである。…

【ワルツ】より

…3拍子系のリズムの伝統が乏しいとされる日本でワルツが急速に受け入れられたことは,1900年代に早くもワルツのリズムによる流行歌が生まれたことに示される。《美しき天然》(田中穂積(1855‐1905)作曲・武島羽衣作詞,1900年ころ),《銀波》(外国曲?,1900年ころ),《ダニューブ河の(さざなみ)》(I.イワノビチの曲に田村貞一が作詞,1902年発表)らがそれで,いずれも感傷的な遅いテンポのワルツである。とりわけ佐世保の海軍軍楽隊長であった田中が作曲した《美しき天然》は,伝統的な旋律構成と西洋的な唱歌形式を合わせたもので,サーカスなどでも使われて日本のワルツの原像をなすものといえるだろう。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」