最新 地学事典 「胞子化石」の解説
ほうしかせき
胞子化石
fossil spore
真菌や変形菌のような菌類の一部およびコケ植物・シダ植物の胞子は,強い酸や塩基にもおかされない非常に丈夫な胞子壁をもち,化石としてよく発見される。シダ植物の胞子壁(sporoderm)のうち,内膜(intine)を除く外膜(ex-ine)と外被層(perine)はsporopolleninにより構成されるが,コケ植物や菌類の胞子壁の化学組成にはまだ不明な点が多い。ミズニラ属の大・小胞子のように,胞子壁に非晶質珪酸の層を有する例もある。大きさは5~100µmのものが多いが,シダ植物の大胞子では1mmに達するものもある。無口型・単孔型のものもあるが,多くは1本ないし3裂する条溝をもち,この条溝が裂開して花粉粒の発芽装置と同様の機能を果たす。外形,条溝の形態,外膜の厚さや構造と彫紋,外被層の形態と彫紋などの違いに基づいて同定される。
執筆者:徳永 重元・那須 孝悌
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

