内科学 第10版 「膀胱機能試験」の解説
膀胱機能試験(自律神経系の機能検査法)
排尿機能をみることにより,自律神経障害をみる.以下の方法が知られている.
1)尿流・残尿測定:
尿流測定とは尿流計により排尿時の尿の流れを記録する検査であり,残尿測定とは排尿終了後膀胱に残っている尿を超音波診断装置などにより測定する検査である.
2)膀胱・尿道内圧測定:
膀胱・尿道内圧測定は尿流動態検査に含まれるもので,2つの方法がある.膀胱内圧測定はシストメトリーとしてよく知られ,膀胱内圧,膀胱知覚,膀胱容量および膀胱コンプライアンスを記録する方法である.尿道内圧測定は尿道内圧測定曲線や特定部位における尿道内圧を測定する方法である.
3)内圧尿流検査:
膀胱の排出機能障害を排尿筋収縮力と,尿道機能の指標である膀胱出口部閉塞度/尿道抵抗を半定量的に評価することができる検査である.[平田幸一]
■文献
Longo D, Fauci A, et al eds: Harrison’s Principles of Internal Medicine, 18th ed, McGraw-Hill, New York, 2011.
Low PA, Benarroch EE, eds: Clinical Autonomic Disorders. 3rd ed, Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia, 2008.
日本自律神経学会編:自律神経機能検査法,第4版,文光堂,東京,2007.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報