指標(読み)シヒョウ

デジタル大辞泉 「指標」の意味・読み・例文・類語

し‐ひょう〔‐ヘウ〕【指標】

物事を判断したり評価したりするための目じるしとなるもの。
計算尺で、固定尺の上を左右へ移動させて目盛りを読む付属具。カーソル遊標
数学で、正数常用対数整数と正の小数との和として表すときの整数部分。
[類語]記号符号目印マーク標識ばつペケ略号目盛り

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精選版 日本国語大辞典 「指標」の意味・読み・例文・類語

し‐ひょう‥ヘウ【指標】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事を指し示すめじるしとなるもの。
    1. [初出の実例]「併し、此の新しき覚悟の指標として、自然主義の価値は、文明史、及び思想史の上で永久記念さるべきものであると思ふ」(出典:解放の信条(1914)〈田中王堂〉当来の文芸)
  3. 計算尺の付属具の一つ。固定尺の上を左右に動かして目盛を読む。カーソル。遊標。
  4. 正数の常用対数を、整数と正の小数の和として表わしたときの整数の、もとの常用対数に対する称。小数部分は仮数という。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「指標」の意味・わかりやすい解説

指標
しひょう
characteristic

(1) 普通は常用対数の整数部分をいう。常用対数の小数部分は仮数である。指標は 0あるいは正,負の整数値をとり,仮数は常に 1より小さい正の小数で表される。真数の整数部分が n桁の数の対数の指標は n-1 であり,また真数が小数で,その小数の小数点以下第n位に初めて 0でない数が現れるならば,その対数の指標は -n と書く)である。また仮数については,数字の並び方が同じで,小数点の位置だけが異なる数の仮数はみな等しい。標数という語も使われる。
(2) ノモグラフ計算図表)において,t媒介変数とする連立方程式を,x1m1f1t),x2m2f2t)(m1m2定数)とし,これをグラフに書くとき,t の値を曲線上に目盛ったものを曲線関数尺といい,この t を指標ということがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「指標」の意味・わかりやすい解説

指標 (しひょう)

(1)群Gの表現ρ:G→GLnC)について,行列ρ(g)=(ρijg))の対角線上の元の和を考えると,GからCへの関数xρを得る。この関数を表現ρの指標という。群Gから0でない複素が乗法についてなす群Cへの準同型を群Gの指標という。これはGL(1,C)への表現の指標と同じものになる。上のCのかわりに絶対値1の複素数のなす群に制限して指標を定義することもある。群Gの指標(後半の2種類)全体は群をなす。これを指標群という。

(2)常用対数の整数部分。
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世界大百科事典(旧版)内の指標の言及

【対数】より

…また,0<x<1であって,xの小数第n位に初めて0でない数字が現れるならば,x=10nx′,n′=-n,1≦x′<10と書けるから,logxn′+logx′,0≦logx′<1となる。上記のn(x≧1の場合),またはn′(0<x<1の場合)を対数logxの指標といい,logx′を仮数という。すなわち,1≦x′<10なるx′に対する常用対数の表から,その対数(すなわち仮数)を求めれば,それにxの桁数から定まる整数n,またはn′(すなわち指標)を加えることにより,xの対数が得られる。…

※「指標」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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