内科学 第10版 の解説
膵ポリペプチドファミリー(消化管ホルモン)
膵ポリペプチド,ペプチドYY
膵ポリペプチド(pancreatic polypeptide:PP)は,ペプチドYY(peptide YY:PYY)およびニューロペプチドY(NPY)とともにPPファミリーを形成し,PPは膵島PP分泌細胞,PYYは下部消化管L細胞で産生・分泌される.Y1,Y2,Y4,Y5,y6の受容体が存在し,各ペプチドへの親和性が異なる.Prader-Willi症候群では血中PPが低下しており,PPの静脈内投与により過食行動が改善する.PYYは中枢における摂食調節作用が報告されている.また肥満に対する胃バイパス術後の患者において,食後の血中PYY,GLP-1上昇を認め,減量効果への関与が示唆されている.[蔡 明倫・乾 明夫]
■文献
Chen CY, Asakawa A, et al: Ghrelin gene products and the regulation of food intake and gut motility. Pharmacol Rev, 61: 430-481, 2009.
Kamiji MM, Inui A: Neuropeptide y receptor selective ligands in the treatment of obesity. Endocr Rev, 28: 664-684, 2007.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報