自賠法(読み)ジバイホウ

世界大百科事典(旧版)内の自賠法の言及

【交通事故】より

交通違反【山口 厚】
【自動車事故をめぐる民事法上の問題】
 交通機関の運行によって生じる事故のうち,事故件数の多さなどから事故損害の合理的規制が最も強く要請されているのが自動車事故である。そのため日本でも,とくに自動車による人身事故被害者の損害賠償請求権を確保するため自動車損害賠償保障法(自賠法と略称)が制定され(1955),今日では,自動車事故による損害賠償の多くが同法によって処理されている(もっとも,近時,賠償価額が増大し自賠法による保障では賄われえず,任意に保険をかけることが必然的である)。たとえば,ある会社の従業員が社用のため会社所有の車を運転中に事故をおこした場合,一般法である民法によれば,被害者は運転者または使用者に対し損害賠償を請求するためには,運転者の過失を証明しなければならない(民法709,715条)。…

【自動車損害賠償保障法】より

…1955年公布。自賠法と略す。本法は運行供用者という新しい責任主体に危険責任原理に依拠する実質的な無過失責任を課すことによって,民法の過失責任主義に対する重大な修正を加えることとなった。…

※「自賠法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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