精選版 日本国語大辞典 「葡萄牙」の意味・読み・例文・類語
ポルトガル【葡萄牙】
- ( Portugal ) イベリア半島西部の共和国。紀元前二世紀ローマ帝国の属州となり、ルシタニアと呼ばれた。一一四三年ポルトガル王国が成立。近世初頭には海外に発展し、大植民地帝国として栄えた。一五八〇~一六四〇年スペインに合併され、ナポレオン戦争や、植民地の独立などで衰え、一九一〇年の革命でポルトガル共和国となった。室町末期から江戸初期にかけて日本との交易があり、キリシタン文化など、日本に大きな影響を及ぼした。住民はケルト‐イベリア人が主で、大部分がカトリック教徒である。首都リスボン。
- [初出の実例]「日本に渡るに、其道天地雲泥也、其故はカステイラの者は西へさして船を乗り、ホルトガルの者は東へさして乗もの也」(出典:乾坤弁説(1656)元)
葡萄牙の補助注記
( 1 )「西洋紀聞」(一七二五頃)に「波爾杜瓦爾(ホウルトワアル)」と見えるが、この表記には「波爾杜臥爾」「波児杜瓦爾」など、同系統の表記が多くあり、一九世紀前半まで広く使われていた。
( 2 )「葡萄牙」という表記の早い例は、中国の「新訂外蕃旗譜」(「坤輿図識補」(一八四六)所収)に見え、日本では幕末から明治にかけて優勢になった。