…このような方法を繰り返せば,純粋に近いメチルアルコールを得ることはできるが,その量はおそらく1g程度しか得られないであろう。 そこで,次にくふうされたのが図のbのような回分蒸留塔である。下方のフラスコまたは缶にやはり100gの水溶液を入れて加熱し,塔頂から出てきた蒸気を凝縮させて,それを再び塔頂に戻す(還流)と,その液は温度が低いので,下から上ってくる蒸気と接触すると蒸気の一部を凝縮させる。…
…しかし,現在の本格焼酎用蒸留機は,金属製ポットスチルに変わり,甑型のものは沖縄にわずか残っているにすぎない。いっぽう,15~16世紀まで蒸留酒を薬として製造していた西ヨーロッパでは,蒸留を繰り返すと薬効の高まることがわかって,単式蒸留機を積みかさねたような棚式の蒸留塔が考案されるようになった。この塔の最上部にもろみを連続的に注入し,塔下部から100℃の蒸気を吹き込むと,各棚で沸騰と凝縮が繰り返され,アルコール分のより高い留液が連続的にとれる。…
※「蒸留塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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