走査透過電子顕微鏡法(読み)そうさとうかでんしけんびきょうほう

最新 地学事典 「走査透過電子顕微鏡法」の解説

そうさとうかでんしけんびきょうほう
走査透過電子顕微鏡法

scanning transmission electron microscopy

透過電子顕微鏡の一種である走査透過電子顕微鏡を用いた顕微鏡法。STEMとも。走査透過電子顕微鏡では,電解放出型電子銃からの干渉性の高い電子線が数段のコンデンサーレンズにより極めて細く試料面に集束される。その集束された電子線プローブを試料上で走査し,各点での透過電子を検出して走査像を得る。複数の磁極で構成される非軸対称の構造をもつ多極子レンズを組み合わせることで球面収差補正が可能となり,サブオングストロームの原子像が得られる。透過波により構築された明視野(Bright Field:BF)像と,透過波を除いてある角度以上に散乱された電子を環状検出器で検出して結像した環状暗視野(Annular Dark Field:ADF)像がある。STEMのBF像は相反原理からTEMの明視野像と類似する。高角度の散乱電子を検出して結像した走査像は高角度環状暗視野(High-Angle Annular Dark Field:HAADF)像と言い,そのコントラストはおもに試料の厚さと構成原子の原子番号(Z)に依存する。Zコントラスト像とも。軽元素と重元素が混在する場合はHAADF像により軽元素の情報を得ることは難しいが,低角度に散乱された電子を検出して結像する環状明視野(Annular Bright Field: ABF)像は,HAADF像に比べ原子番号によるコントラストの違いが小さく,軽元素カラムを観察できる場合がある。STEMとEELSの組み合わせにより単原子カラムのEELS像を得ることで,軽元素カラムが観察できる。STEMとEDXの組み合わせにより原子分解能での元素マッピングも可能。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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