転嫁行動(読み)テンカコウドウ

デジタル大辞泉 「転嫁行動」の意味・読み・例文・類語

てんか‐こうどう〔‐カウドウ〕【転嫁行動】

動物行動学において、闘争状態にある個体が、闘争相手ではなく別の個体を攻撃すること。主に上位の個体に攻撃されたとき、より下位の個体に攻撃する八つ当たりのような行動が知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の転嫁行動の言及

【行動】より

…トゲウオのジグザグ・ダンスはその好例で,攻撃と逃走が交互に解発されることによって生じるものである。相対立する衝動の拮抗の結果,別の対象に行動を向ける転嫁行動redirected behavior(例えば上位の個体に攻撃された個体が下位の個体に攻撃を向ける場合)やまったく別種の行動が現れる転位行動displacement behavior(例えば闘争の最中に突然餌を食べはじめるような場合)も葛藤行動に含まれる。
【行動における学習の役割】
 リリーサーと生得的解発機構はそれぞれの動物の種によって遺伝的にきまっており,それによって現れる行動を生得的行動innate behaviorと呼ぶ(従来これは本能行動instinctive behaviorと呼ばれたものであるが,本能という概念のあいまいさゆえに今日では用いられなくなった)。…

※「転嫁行動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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