動物行動学(読み)どうぶつこうどうがく(英語表記)ethology

翻訳|ethology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

動物行動学
どうぶつこうどうがく
ethology

エソロジーともいう。生物学の一分野。動物の行動を研究する学問で,行動観察と資料整理の方法論,行動開発の生理的・神経的機構,行動の適応的意味,異なる種間での比較,どのような過程で進化してきたのかという問題など,多面的な研究面をもつ。この語は古く E.ジョフロア・サン=チレールがつくったが (1859) ,O.ハインロート,C.ホイットマンらを経て,20世紀中頃に K.ローレンツや N.ティンベルヘンが学問としての体系を整えた。以前は,動物を自然状態で観察し,おもに本能の問題を扱うヨーロッパ学派と,実験室内でネズミの学習を中心に研究したアメリカ学派があったが,現在は統一され,行動の生理的な機構を中心とした研究が盛んである。ローレンツ,ティンベルヘンと,ミツバチの行動研究をした K.フォン・フリッシュは 1973年度ノーベル生理学・医学賞を受けた。

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百科事典マイペディアの解説

動物行動学【どうぶつこうどうがく】

エソロジー,行動生物学とも。動物の行動を研究する学問。K.ローレンツ,N.ティンバーゲンらによって,行動を一つの形質として総合的に研究する近代的な動物行動学が確立された。現在では行動の生理学的な基盤を研究する神経行動学,人間の行動に当てはめた人間行動学,および行動の進化生態学的な意味をさぐる行動生態学や社会生物学が主要な分科となっている。
→関連項目日高敏隆

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世界大百科事典 第2版の解説

どうぶつこうどうがく【動物行動学 ethology】

動物の行動を研究する生物学の一分野。エソロジーとそのまま呼ばれることもあり,習性学,行動生物学,比較行動学,行動学などと記される場合もある。エソロジーということばは,I.ジョフロア・サンティレールが1859年に〈本能,習性など生物の表す行動と環境の関係を研究する学問〉として提唱したのに始まる(ただしこのことば自体は,それ以前にJ.S.ミルが〈人生学〉という意味合いで使っていた)。以後,さまざまな曲折を経るが,現在では〈ダーウィン以後の近代生物学のあらゆる手法を用いて動物の行動を研究する学問〉(K.ローレンツ)というのが,最も広く受け入れられている定義である。

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大辞林 第三版の解説

どうぶつこうどうがく【動物行動学】

生理学・心理学・遺伝学など、さまざまな方法論を用いて動物の行動を研究し、行動の総合的理解をめざす学問。生物学の一分野。エソロジー。

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世界大百科事典内の動物行動学の言及

【ティンバーゲン】より

…49年イギリスに渡り,66年オックスフォード大学教授。動物行動学(エソロジー)の開拓者の1人として,K.フォン・フリッシュ,K.ローレンツとともに73年ノーベル医学生理学賞を受賞。主として実験的研究にすぐれ,理論のローレンツとのコンビで動物行動学を築きあげた。…

※「動物行動学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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