都介郷(読み)つげごう

日本歴史地名大系 「都介郷」の解説

都介郷
つげごう

和名抄」高山寺本・刊本ともに訓を欠く。「大和志」は「已廃存山口鞆田二村」として現天理市杣之内そまのうち(旧山口村)から現山辺郡つげ村大字友田ともだ(鞆田村)にかけての広い地域に比定。都介野つげの高原の西部にあたる。「日本書紀」仁徳天皇六二年条の都介氷室つげひむろは現天理市福住ふくすみ町に比定され、允恭天皇二年二月一四日条には闘鶏つげ国造の名がみえる。

現都村大字甲岡こうおかで発見の神亀六年(七二九)の小治田安万侶墓誌に「大倭国山辺郡都家郷」、康保元年(九六四)の大和国都介郷刀禰等解案(東大寺文書)に「大和国山辺郡都介郷刀禰等解(中略)大和国山辺郡堺并伊賀国名張郡堺」とあるので、郷域は「大和志」の規定よりも東方に広がり、伊賀国境に及んでいたものと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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