銘文入り刀剣(読み)めいぶんいりとうけん

知恵蔵 「銘文入り刀剣」の解説

銘文入り刀剣

鉄の刀剣に金、銀の象眼文字を記したもので、飛鳥以前が8振、うち国産が5振ある。5〜7世紀の記録であり712年に成立した古事記以前の極めて重要な文字資料。明治初めに発見された熊本県和水町の江田船山(えたふなやま)古墳の刀(75字、銀)を始め、1978年に判明した埼玉県行田市の埼玉稲荷山(さきたまいなりやま)古墳の剣(115字、金)、84年検出の島根県松江市・岡田山1号墳の刀(12字、銀)と兵庫県養父市・箕谷(みいだに)2号墳の刀(5字、銀)、88年の千葉県市原市・稲荷台1号墳の剣(7字、銀)などがある。

(天野幸弘 朝日新聞記者 / 今井邦彦 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android