開かずの踏切(読み)アカズノフミキリ

デジタル大辞泉 「開かずの踏切」の意味・読み・例文・類語

あかず‐の‐ふみきり【開かずの踏(み)切(り)】

列車の運行数が多いために遮断機長時間降りたままになり、横断することが困難な踏切
[補説]国土交通省では、ピーク1時間当たりの遮断時間が40分以上になるものと定義している。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「開かずの踏切」の解説

開かずの踏切

朝夕のピーク時に1時間あたり40分以上遮断機が下りている踏切。国土交通省の調査では、踏切は全国に約3万6000カ所あり、開かずの踏切は587カ所。うち300カ所は東京都内だ。国の試算では、踏切の待ち時間に伴う経済損失は年1兆5000億円、都内で3000億円に達する。関東地方だけで年間100件近い事故が起きており、2005年3月には東京都足立区の東武伊勢崎線の竹ノ塚駅近くで、列車の接近を失念した保安係が手動で遮断機を上げ、通行人4人がはねられ2人が死亡した。こうした事態を受け、国土交通省は06年、渋滞の長さや頻度歩道の道幅などの総点検を進めている。緊急対策が必要な踏切約2100カ所について同年度内に5カ年の整備計画を定め、交差する道路の立体交差化や道路幅の拡張といった改善を進める。残る約3万4000カ所についても実態を調査し、必要なら対策をとる。踏切対策がこれまで進まなかった最大の原因は、巨額の費用だ。立体交差事業は国と地元自治体、鉄道会社などが費用を分担する。用地買収も必要で、騒音問題などから地元の理解を得るのも難しい。

(平栗大地 朝日新聞記者 / 松村北斗 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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