普及版 字通 「騫」の読み・字形・画数・意味


20画

[字音] ケン
[字訓] あがる・かける・あやまる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は搴(けん)の省文。搴に搴曲の意があり、馬の疾走する状態を騫という。また騫損の意があり、孔門の閔損、字(あざな)は子騫。損・騫は名字対待の義である。〔詩、小雅、天保〕に「騫(か)けずれず」の句がある。〔説文〕十上に「馬の腹、(ちふ)するなり」とあり、〔段注〕に「肚腹低陷」の病であるとするが、本義はが飛ぶ意であるように、馬の疾走する意であろう。騫騰して誤つことが多くて、騫損の意を生ずるのであろう。

[訓義]
1. あがる、とぶ、かろがろしい。
2. そこなう、かける。
3. 愆と通じ、とが、あやまち、あやまる。
4. 搴と通じ、とる、ぬきとる。

[古辞書の訓]
名義抄〕騫 メグル・オソル・トブ・オドロク・ハフル・アガル 〔字鏡集〕騫 オドロク・ナガシ・カク・ユク・ツマヅク・メグラス・トブ・ユク・アガル・メグル・オソル・オドロク・ハフル

[語系]
騫・搴・khianは同声。高くとぶ、たくしあげる意がある。軒xianもその系統の語であろう。また愆khianは騫と同声。罪過の義に通用する。

[熟語]
騫衣騫汚騫諤騫義騫挙騫騫騫脩・騫損騫短・騫騰・騫腹騫忘騫崩
[下接語]
孤騫・鵬騫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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