高誘電率膜(読み)コウユウデンリツマク

化学辞典 第2版 「高誘電率膜」の解説

高誘電率膜
コウユウデンリツマク
high-k film

比誘電率の高い誘電体膜のこと.スケーリング則に従いMOS(モス)トランジスター微細化が行われた結果,ゲート酸化膜の膜厚は数 nm 以下となっており,ゲート絶縁膜のリーク電流により消費電力が問題となっている.もれ電流を抑えながらトランジスターとしての電流駆動能力を維持するためには,SiO2の比誘電率k = 4に比べて高誘電率膜をゲート絶縁膜として用いることが不可欠となった.膜の評価のための指数としてEOTと略称される等価酸化膜厚が用いられる.高誘電率で現在Al2O3,ZrO2,HfO2などが研究されているが,熱的安定性やSi表面でのOとSiの反応をいかに抑えるかが問題である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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